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被害の実態・おそれ |
生態系にかかる影響 |
上高地への侵入がみられ、特に注意を要する種とされている。天竜川では代表的な外来植物の一つとなり、他の外来植物とともに、固有種などの在来種と競合し、駆逐するおそれが指摘されている。
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農林水産業への影響 |
世界的にみられる畑地・牧草地の雑草である。
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人の健康への影響 |
花粉症の原因植物である。1969年に世田谷区が小児ぜんそくの原因花であると発表した。アメリカ合衆国やカナダでは、花粉症対策の研究や防除のために、国家的な規模で多額の研究資金が使われている。花粉症の人はブタクサが少ない地域に移住するという。抜き取りや刈り取りで防除が行われるが、除草剤(アトラジン)抵抗型があるとされる。ブタクサを食害するブタクサハムシが1996年に千葉県で確認されて以来、全国に急速に広まった。韓国では輸入禁止植物とされている。
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被害をもたらしている要因 |
生物学的要因 |
土壌の種類や水分に対する適応性は大きい。種子生産量は32,000~62,000個/株と多い。土中種子の寿命は39年以上と長い。痩果(偽果)は、雨、鳥、人間など様々な手段により伝播される。アレロパシー作用に関する研究が行われている。
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社会的要因 |
不明
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特徴並びに近縁種、類似種 |
ブタクサ属は世界に25種ある。日本には自生種はない。オオブタクサ(クワモドキ)、ブタクサモドキが野生化。変異が多く、ウスゲブタクサ(ケナシブタクサ)、ケブタクサ(ビロードブタクサ)の2型があるとされるが、中間型も存在する。神奈川県横浜市では、雄性の頭花がなく、頂生の花序も全て雌性の頭花になったメブタクサの記録がある。オオブタクサとの雑種オニブタクサ(A. ×helenae)がある。 |
対策 |
侵入経路や分布拡大のメカニズムを把握し、効果的な防除方法や分布拡大の抑制策の検討が望まれる。既に各地で定着しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。 |
その他の関連情報 |
旭川市の周辺河川敷では雪捨て場で大発生が確認されている。(旭川の帰化植物) |