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被害の実態・おそれ |
生態系にかかる影響 |
広島県太田川中流の氾濫原では、シナダレスズメガヤの増加によって砂が堆積するとともに、他の植物の種数が減少した。利根川水系鬼怒川流域では、絶滅危惧種のカワラノギクやカワラニガナが、シナダスズメガヤの被陰による光不足などが原因で著しく減少した。
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農林水産業への影響 |
熱帯~亜熱帯で牧草地と路傍の雑草となっている。雑草害は土壌が乾いた条件下で著しい。
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人の健康への影響 |
不明
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被害をもたらしている要因 |
生物学的要因 |
日当たりの良く、砂質土壌を好むが、排水が良ければ土壌の種類を撰ばない。耐暑性と耐旱性が強く、耐陰性と耐湿性は極めて弱い。傾斜地で優占する。暖地型牧草の中では最も耐寒性が強いので、関東から沖縄まで永年的に利用できる。洪水に対する耐性がある。種子生産量は極めて多く、1株で10万粒以上を生産した例がある。発芽率も高い。根茎による栄養繁殖を行う。河川敷などで砂の堆積を促進する。
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社会的要因 |
栽培用に品種改良され、痩せ地や硬土地でもよく育つため、世界的には痩せ地の飼料生産に利用されるが、一般に草質が良くないために、日本では牧草としてよりは、高速道路や宅地造成地の崖や斜面の土どめ用に多く植えられる。
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特徴並びに近縁種、類似種 |
イネ科の多年生草本。桿が束生して大きな株になる。染色体数2n=20、40、50、60のほかに、42や63などの異数体がある。スズメガヤ属は世界で約300種が知られている。日本には5種が自生。単為生殖を行う。 |
対策 |
耐暑性と耐旱性に優れ、土壌侵食防止力が強いため、法面緑化などに全国で用いられている。適切な代替物の利用の可能性を検討することが望まれる。 |
その他の関連情報 |
英名のウィーピング・ラブグラスweeping-lovegrassが、日本でも広く使われている。植付には種子を斜面に吹き付けることが一般的である。 |