タイリクバラタナゴ
  魚類 ⁄ 国外外来種
タイリクバラタナゴ
目名 コイ目
科名 コイ科
種名(亜種名 タイリクバラタナゴ
学名 Rhodeus ocellatus ocellatus
地方名  
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 アジア大陸東南部と台湾
導入年代 1970年
初報告 1980年
全国分布 ほぼ日本全国に分布
道内分布 石狩川水系の中下流域
導入の原因 1942年に中国からソウギョ、ハクレン種苗に混じって関東地方に移入され、その後、全国に分布を広げた。北海道への移入はフナ等の移植に混入したこと、観賞魚として流通したこと、また産卵された貝類の移植が移入の原因と考えられる(*1)。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 体は著しく扁平し、成熟したオスは体高が高くなる。腹鰭前縁が白い。全長8cmに達する。 雑食性で、付着藻類などの植物食を好むが、小型の水生生物も捕食する。
繁殖形態 イシガイ、カラスガイ等の鰓の内側に産卵する。日本での産卵期は3~10月
生息環境 池沼や流れの緩やかな河川で、二枚貝の分布する砂泥底の水域に生息する。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 在来種との競合と駆逐の可能性
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 雑食性であること及び淡水貝の体内に産卵する性質があるため。
社会的要因 石狩川でのふくべ網漁で混穫されるため、雑魚として敬遠されている。
特徴並びに近縁種、類似種 ニッポンバラタナゴなど他のバラタナゴ属に似るが、本道にはいずれも生息していない。
対策 観賞魚として広範に流通しているので、野外放流しないよう注意を徹底する。
その他の関連情報 近年道内での分布を広げており、餌をめぐる競合など同所的に生息する在来魚への影響が懸念される。他の魚種に与える影響について調査が必要である。

写真・イラスト

  Shao, Kwang-Tsao 提供   酪農大吉田研究室 提供  
  酪農大吉田研究室 提供   金子 剛 提供  

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド.32p.文一総合出版,東京
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976.原色日本淡水魚類図鑑 全改訂新版.462p.保育社,大阪.
中村守純.1969.日本のコイ科魚類.455p.資源科学研究所,東京.
長田芳和.1980.タイリクバラタナゴ-純血の危機.日本の淡水生物(川合禎次,川那部浩哉,水野信彦編),pp.147-153.東海大学出版会,東京.
日本生態学会編.2002.外来種ハンドブック.390p.地人書館,東京.