哺乳類 ⁄ 国外外来種 | ||||
ミンク | ||||
目名 | ネコ目 | |||
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科名 | イタチ科 | |||
種名(亜種名*) | ミンク | |||
学名 | Neovison vison | |||
カテゴリー | 北海道 | A1 | ||
環境省 | 特定外来生物 | |||
ワースト100 | ||||
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。 ●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。 |
原産地 | アメリカ合衆国西南部以南を除く北アメリカ一帯(アラスカ、カナダを含む)(*5) |
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導入年代 | 昭和3年11月に農林省がアメリカ合衆国から北海道に4頭を輸入したのが最初。野生化の正確な時期は不明だが、1953年から始まった本格的な飼育事業の発展に伴い、遺棄や逃亡による野生化が始まり、1960年代中頃には定着したと考えられる(*5)。 |
初報告 | 1982年(*1) |
全国分布 | 北海道、栃木県、長野県、福島県、新潟県(新聞報道など) |
道内分布 | 全道に分布するが、海岸部をはじめとする水辺に多く、山地にはほとんど生息しない。 |
導入の原因 | 毛皮養殖用飼育個体の逃亡・遺棄 |
生活史型 | 母子関係は2ヶ月あまり続き、子は秋までに成体と同サイズとなるが、0才、1才の生存率は著しく低いものと予想される。 |
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形態 | 頭胴長:オス355-440mm、メス325-387mm、尾長:オス360mm、メス300mm、体重:オス655-1580g、メス360-877g(*4,5)。毛色は通常は黒いが、飼育技術によって、プラチナ、バイオレット、パステルなどの毛色タイプに区分されている。 |
繁殖形態 | 飼育下では晩秋に交尾し、翌春に4~5頭の子を出産(*4)。野生化個体の資料からは、3月頃に交尾して5月中・下旬に5~7頭の子を出産すると推定される。メスの繁殖率は高く、成体は毎年繁殖すると推定される。 |
生息環境 | 河辺ヤナギ林や湿地林を中心とする森林・ササ植生・水田。水辺を好む。 |
特記事項 | 特になし |
被害の実態・おそれ | 生態系にかかる影響 | 直接捕食によるノネズミ、鳥類、魚類、両生類、甲殻類への影響(*2,3,4,5) |
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農林水産業への影響 | 養鶏、養魚場における食害 | |
人の健康への影響 | 不明 | |
被害をもたらしている要因 | 生物学的要因 | 競合する可能性のあった在来の近縁種であるニホンカワウソの絶滅 |
社会的要因 | 1953年から本格化した毛皮目的の増殖事業(*5) | |
特徴並びに近縁種、類似種 | 同じく外来種であるニホンイタチと営巣場所や餌をめぐる競合関係があると予想される。ミンクが水系に強く執着するのに対し、ニホンイタチは水辺から山間部まで多様な環境に生息できる(*4)。 | |
対策 | 平成6年より狩猟獣指定 | |
その他の関連情報 | 1920年の記録を最後に絶滅したと言われているニホンカワウソの目撃情報が続いた1970年代のいわゆる「カワウソ騒動」は、野生化したミンクの誤認であったと考えられている(*5)。 |
備考 |
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参考文献 | 阿部永ほか (1994) 、日本の哺乳類:東海大学出版会 野生生物保護対策検討会移入種問題分科会 (2002)、移入種(外来種)への対応方針について 自然環境研究センター (1998)、野生化哺乳類実態調査報告書 (*1)北海道猟友会 (1982) 「野生ミンクの生態と被害調査」、猟友会報:北海道猟友会 19巻22-26頁 犬飼哲夫 (1983) 「北海道の野生化ミンクについて」、猟友会報:北海道猟友会 20巻14-16頁 北海道生活環境部自然保護課 (1985) 、野生動物分布等実態調査報告書ー野生化ミンクー:北海道生活環境部自然保護課 浦口宏二 (1996) 「ミンク」、日本動物大百科 哺乳類Ⅱ:平凡社 139頁 哺乳類保護管理専門委員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」、哺乳類科学 39巻1号115-129頁 北海道開拓記念館 (1981) 「野幌丘陵とその周辺の自然と歴史」、北海道開拓記念館研究報告 6巻 榎本岩郎 (1964) 「高級毛皮獣ミンク」、日獣会誌 17巻450-452頁 (*2)竹中悠(2008),外来種アメリカミンクによる越冬中のエゾアカガエルの捕食記録,爬虫両棲類学会報,巻,号,pp.101-103 (*3)Kohji URAGUCHI他(1987),Food Habits of the Feral Mink(Mustela vison Schreber)in Hokkaido,J.Mamm.Soc.Japan,12巻,1・2号,pp.57-67 Takahiro Murakami他(2004),Mitochondrial DNA variation in the Japanese marten Martes melampus and Japanese sable,Martes zibellina,Jpn.J.Vet.Res,51巻,3・4号,pp.135-142 浦口宏二(1996),ミンク,日本動物大百科(哺乳類Ⅱ),,平凡社,p.139 北海道開拓記念館(1981),野幌丘陵とその周辺の自然と歴史,北海道開拓記念館研究報告 6巻,,北海道開拓記念館,ND (*4)米田政明(1994),ミンク,日本の哺乳類,阿部永ほか,東海大学出版会,p.125 (*5)北海道生活環境部自然保護課(1985),野生動物分布等実態調査報告書ー野生化ミンクー,北海道生活環境部自然保護課, |
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