ブルーギル
  魚類 ⁄ 国外外来種
ブルーギル
目名 スズキ目
科名 サンフィッシュ科
種名(亜種名 ブルーギル
学名 Lepomis macrochirus
地方名  
カテゴリー 北海道 A1
環境省 特定外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 五大湖からアメリカ合衆国東部を経てメキシコ北東部
導入年代 本州では1960年
初報告 1995年
全国分布 全国
道内分布 函館市五稜郭公園濠(*1)
導入の原因 日本へは1960年に養殖魚として導入されたが、現在では養殖されていない。北海道にも養殖魚として導入されたが、定着しなかった。その後遊漁者による放流と他の放流魚への混入により分布が拡大した。北海道での分布は公園の池であり、移入の原因は不明(*1,2)。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 体は著しく扁平し、体高は高い。口は小さく、鰓蓋後部に名前の由来となる濃紺の斑紋がある。ふつう全長20cm、最大40cmに達する。植生は雑食性で、水生植物から小魚まで捕食する(*2)。
繁殖形態 産卵期は日本では5~9月。22℃~29℃で産卵する。雄は水底にすりばち状の巣をつくり、産卵受精後は雄が卵から稚魚まで保護する。産卵床を守るオスはなわばりをもつが、ひとつひとつの範囲は狭い。しかし、それらが寄り集まってコロニーを形成する(*2)。
生息環境 湖沼や河川の流れのゆるやかで水草のあるところを好む(*2)。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 小型魚類や甲殻類から水生植物に至る在来生物を捕食し、駆逐する(*2)。
農林水産業への影響 水産有用物への食害、多数混獲されることでの漁業被害
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 本種は、食餌資源ニッチに幅があり、環境適応度が高い。繁殖力も旺盛で、成熟期間は1年と短い(*2)。
社会的要因 本道への導入経緯は不明だが、他の地域では、1970年代まで食用として公的機関による養殖実験放流が行われていたことに由来する。
特徴並びに近縁種、類似種 同じサンフィッシュ科のオオクチバスに比べ、体調ははるかに小さく、名前の由来となった濃紺の斑紋によって、容易に判別が可能(*2)。
対策 2009年現在、北海道水産孵化場・工藤智氏らのグループによって、電気ショッカーボートを用いた駆除研究事業が継続されている(*1)。北海道内水面漁業調整規則の移殖放流禁止対象魚。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  豊平川さけ科学館 提供   石狩川川の博物館 提供  

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)工藤智.2009.平成20年度外来種抑制効果受託研究報告書(北海道)
(*2)松沢陽士・瀬能宏.2008.日本の外来魚ガイド.P80-87, 文一総合出版,東京
尼岡邦夫・仲谷一宏・矢部衛.1995.北日本魚類大図鑑.390p.北日本海洋センター,札幌.
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
Lee, D.S., et. Al. 1980. Atlas of North American freshwater fishes. 867 p. North Carolina State Museum of Natural History, Raleigh.
大森始.2002.北海道函館市の五稜郭公園堀池に生息するブルーギル.魚と水,(38),19-22.
丸山為蔵・藤井一則・木島利通・前田弘也.1987.外国産新魚種の導入経過.147p.水産庁研究部資源課・水産庁養殖研究所,東京.
日本生態学会編.2002.外来種ハンドブック.390p.地人書館,東京.