サカマキガイ
  昆虫以外の無脊椎動物 ⁄ 国外外来種
サカマキガイ
目名 基眼目
科名 サカマキガイ科
種名(亜種名 サカマキガイ
学名 Physella spp.
地方名  
カテゴリー 北海道 A2
環境省  
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ヨーロッパ
導入年代 1935~1940年ごろだと考えられている(*1)。
初報告 北海道では不明。国内では、1945年に神戸市灘区の溝で採取された(*1)。
全国分布 北海道~沖縄
道内分布 北海道南部から中部
導入の原因 鑑賞魚や水草に付いて、継続的に持ち込まれていると考えられている(*1)。

種の生物学的特性

生活史型 孵化後の稚貝の成長は早く、短期間に成熟し、繁殖を繰り返す(*1)。
形態 殻長10mm
繁殖形態 ある程度の水温があれば断続的に産卵し、ゼラチン状の卵嚢を基質に産みつける(*1)。
生息環境 淡水域(湖沼、河川、水田)。年間を通して水深が浅い水田や、汚濁がある程度進んだ水路などの粗悪な環境下でも生息する。
特記事項 水質汚染に強い

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 他生物に対して、被害をおよぼしたという事例は今のところない。ただし驚異的な繁殖力を持つため、局所的な圧迫を受けている生物がいると思われる(*1)。 寄生虫の中間宿主となる可能性が指摘されている(*1)。
農林水産業への影響 家畜に寄生する肝蛭、線虫類の中間宿主の可能性が高い。
人の健康への影響 人間に対して、被害をおよぼしたという事例は今のところない(*1)。人に寄生する肝蛭、線虫類の中間宿主の可能性が高い。
被害をもたらしている要因 生物学的要因 農薬や汚濁に対しては、他の貝類に比べて抵抗性が強く、狭い水域でも大量に繁殖することがある(*1)。
社会的要因 当初、多くの淡水魚愛好家が存在すると見なされる大都市近郊で発見されたことから、淡水魚や水生植物とともに持ち込まれていると考えられる(*1)。
特徴並びに近縁種、類似種 モノアラガイに似ているが、殻が逆巻き(このためサカマキガイという)(*1)
対策 飼育淡水魚や水生植物の野外放出を防ぐ
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考 これまでサカマキガイは1種と考えられていたが、複数種存在する可能性が高く、今後、詳細な調査が必要とされる。

参考文献

参考文献 (*1)増田 修,2002.サカマキガイ~日本の水田や水路にすっかり定着.外来種ハンドブック.