コクチバス
  魚類 ⁄ 国外外来種
コクチバス
目名 スズキ目
科名 サンフィッシュ科
種名(亜種名 コクチバス
学名 Micropterus dolomieu
地方名 ブラックバス(混称)
カテゴリー 北海道 C
環境省 特定外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ケベック、ミネソタからアラバマ、オクラホマにいたる北アメリカ大陸
導入年代 本道では1999~2000年
初報告 2002年(*1)
全国分布 全国に広く分布する。
道内分布 大沼湖沼群の円沼で2001年に1個体のみ確認記録がある。
導入の原因 遊漁者による密放流によると推察される。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 全長50cmに達する。体色は暗い黄色を基調とし、8~15本の暗色横帯もしくは横斑が出現することがある。幼魚期にはこの横帯が明瞭。15cm以上では主鰓蓋後端の白斑が目立つようになる。体長50cmに達する。ザリガニや他の魚類を好んで採餌する(*2)。
繁殖形態 産卵期は北アメリカで5~6月、日本では5~7月。13℃~20℃で産卵する。雄は水底にすりばち状の巣をつくり、産卵受精後は雄が卵から稚魚まで保護する。
生息環境 湖沼や河川の岩礁域や砂礫底のところを好む。オオクチバスより低温で、流れの速いところを好む。
特記事項 大沼での個体確認後、数年間にわたり捕獲および駆除が試みられたが、オオクチバス1個体が追加されたのみであった。オオクチバスと共に根絶が表明されている(*3)。 しかし、根絶はかつて明らかに生息が確認された場所についてのみであり、他所にも生息している可能性が払拭できないこと、また定着していた場合の生態的影響が甚大であることから、カテゴリーCとする。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 強い捕食圧により在来種の減少を含む魚類群集構造の変化が報告されている。
農林水産業への影響 捕食による漁業被害の可能性が示唆されている(*1,2,3)。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 低水温に対する耐性が強く、また流水域にも適応できる。
社会的要因 釣魚対象であり、意図的な放流が行なわれてきたことによる。
特徴並びに近縁種、類似種 オオクチバスに似るが、主上顎骨後端が眼の中央下まで達しないことで判別可能。但し、オオクチバス幼魚ではこの傾向を持つものがいるので、注意が必要(*2.)。
対策 北海道内水面漁業調整規則の移殖放流禁止対象である。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  工藤智(大沼湖沼群丸沼産) 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)工藤智.2002.北海道2001年ブラックバス調査事始.魚と水,38,7-18.
(*2)松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド98p.文一総合出版,東京
Lee, D.S., et. Al. 1980. Atlas of North American freshwater fishes. 867p. North Carolina State Museum of Natural History, Raleigh.
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
日本生態学会編.2002.外来種ハンドブック.390p.地人書館,東京.
(*3)大沼国定公園・バス初確認からの経緯:http://www7.plala.or.jp/PreciousField/bass/case/chronology/01_marunuma.htm
特定外来生物の解説;http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/L-sa-06.html