
魚類 ⁄ 国外外来種
ナイルティラピア
目名		スズキ目
科名		カワスズメ科
種名（亜種名＊）		ナイルティラピア
学名		Oreochromis niloticus niloticus
地方名		イズミダイ、マシュウダイ、アサヒダイ（いずれも商品名）
カテゴリー	北海道	A3
	環境省	要注意外来生物
	ワースト100
＊)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。 ●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯


原産地	アフリカ西部ニジェール川水系およびタンガニイカ以北のナイル川水系
導入年代	不明
初報告	1995年（*1）
全国分布	温泉地の池など
道内分布	道内の温泉地で養殖されているほか、養殖場近郊の野外や十勝川など温泉水の流入地点付近で繁殖することがある。
導入の原因	日本へは1954年に養殖用に導入された。北海道へは温泉水を利用した養殖対象魚として導入されたが、正確な時期は不明。

種の生物学的特性


生活史型	淡水型であるが、広塩性で海水でも生活できる。
形態	体長は生息環境によって大きく変化するが、平均20cm程度だが飼育個体は最大80cmに達する。口が小さく体高が高い。体色は生息環境により異なるが、黄み帯びた暗灰色を示すことが多い。体側には不明瞭な8～10本の暗色の横帯があり、尾鰭にも横帯がみられる。食性は雑食性で、稚魚期は動物プランクトンを主に摂取し、成長するにつれ葉緑素が多い植物を摂食するようになる。また、共食いをする（*4）。
繁殖形態	水温が24～30℃で産卵する。水温条件がよければ周年産卵し、産卵床で受精した卵を雌が口腔内保育する。稚魚が独立するまで約2週間を要する。
生息環境	生息適水温は24～30℃で、水質には広い適応性を示し、多様な環境に生息する。
特記事項	特になし

影響


被害の実態・おそれ	生態系にかかる影響	在来種との競合と駆逐の可能性、上位捕食者としての影響
	農林水産業への影響	不明
	人の健康への影響	不明
被害をもたらしている要因	生物学的要因	産卵期になわばりをもち、同種、他種を問わず侵入する魚に攻撃を加えるため(2)。また、十勝川水系オンネトー湯の滝では、希少なマンガン鉱床に生育する藻類への食害が確認されている(3)。
被害をもたらしている要因	社会的要因	不明
特徴並びに近縁種、類似種		カワスズメ属の各種に似る。特にカワスズメと酷似するが、体側と尾鰭に横帯が入ることで判別可能(*2)。
対策		十勝川水系オンネトー湯の滝では、外来種駆除事業の対象となっている。
その他の関連情報		特になし

写真・イラスト

備考


備考

参考文献

（*1）尼岡邦夫・仲谷一宏・矢部衛．1995．北日本魚類大図鑑．390p．北日本海洋センター，札幌．
（*2）松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド102p.文一総合出版,東京
環境省自然環境局生物多様性センター．2002．生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書．545p．
山岡耕作．1989．ナイルテラピア．日本の淡水魚（川那部浩哉，水野信彦編），pp．538-539，山と渓谷社，東京．
（*3）環境省北海道地方環境事務所アクティブレンジャー日記：http://hokkaido.env.go.jp/blog/search.php?p=6&search_submit=Go&search_word=%E8%A1%8C%E3%81%A3&test=values
(*4) 環境省要注意外来生物リスト・魚類；
http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_gyo.html#18