ハリエンジュ
  植物 ⁄ 国外外来種
ハリエンジュ
科名 マメ科
種名(亜種名 ハリエンジュ
学名 Robinia pseudoacacia L.
英名 False acasia ; Black locust
異名 ニセアカシア、アカシア、イヌアカシア
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A2
環境省 要注意外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 アメリカ合衆国東南部
導入年代 明治
初報告 松村任三(1902)命名、久内(1950)1875年頃渡米
全国分布 全国各地
道内分布 全道各地
導入の原因 植栽種の逸出・野生化

種の生物学的特性

生活史型 落葉性の高木または低木
形態 25m
開花時期 6-7月
生息環境 市街地や海岸から低山地までの荒地、土手、野原、道端、空地など
特記事項 温帯に分布する。虫媒の両性花をつけ、豆果をつける。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 ハリエンジュが侵入した林では、好窒素性草本や、林縁・マント性つる植物が増加するのにともない群種の種多様性が減少することが報告されている。生活力が旺盛で、海岸の松林を駆逐するほどとされる。
農林水産業への影響 馬などの家畜が樹皮を食べると、中毒を起こす。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 非常に生長が早く、耐暑性、耐寒性、耐乾性があり土壌を選ばない。実生による繁殖は旺盛である。土壌シードバンクを形成する。親株を中心に地下に伸びた根より萌芽して群落をつくり切株からの萌芽も旺盛である。空中窒素の固定を行うため土壌が富栄養化する。有毒成分としてロビン、ロビチンなどが報告されているが、詳細は不明である。
社会的要因 過去の緑化施工地からの逸出や分布拡大により、山腹、渓流、河原、海岸、放棄耕作地などに侵入している。砂防林や薪炭材として導入され、良質の蜜源植物としても広く利用されている。
特徴並びに近縁種、類似種 マメ科の落葉広葉樹。ハリエンジュ属は世界で約20種が知られる。日本に自生種はない。本種以外に野生化の報告はいまのところない。ハリエンジュより花が大型のハナエンジュを別種とする文献と別名とする文献がある。北海道等で、ニセアカシアがアカシアと誤称されているが、本来のアカシア(ネムノキ科Acasia farnesiana)とは異なる。エンジュSophpra japonicaに似ているが、針(トゲ)があるので、ハリエンジュとよばれる。
対策 砂防林や薪炭材として導入され、良質の蜜源植物としても広く利用されている。しかし、各地の河川や海岸などでは繁茂し、希少植物を含む在来植物を駆逐するおそれがある。影響の大きい場所では積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。
その他の関連情報 木本類の枯殺方法の一つである「巻き枯らし」では簡単に枯れない。汚染・裸地化が進み、煙害のある荒廃地(足尾)の例においても、初期生長や残存率が高いなど、環境への適応力が大きい。土砂の流出を抑制する能力が高い。 特定植物群落調査の追加調査では、変化要因の一つとして、東京都多摩川などの河辺植生へのハリエンジュの侵入があげられた。

写真・イラスト

備考

備考 札幌市豊平川では伐採した切り株に除草剤などを塗布し、再生防止実験を行った経緯が報告されている。(リバーフロント整備センター(2003)河川における外来種対策の考え方とその事例)

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.63.
伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹(1994)北海道高等植物目録Ⅲ.p.268.
佐藤孝夫(1990)北海道樹木図鑑.p.188.亜璃西社.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.115.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.504.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#75
日本の外来生物 平凡社より引用
日本の帰化植物 平凡社より引用