クリタマバチ
  昆虫 ⁄ 国外外来種
クリタマバチ
目名 膜翅目
科名 タマバチ科
種名(亜種名 クリタマバチ
学名 Dryocosmus kuriphilus
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 中国
導入年代 1941年、北海道では1964年
初報告 1965年
全国分布 全国
道内分布 道央、道南を中心としながら、分布域を拡大している。
導入の原因 本州を経由しての中国グリ苗導入による。

種の生物学的特性

生活史型 完全変態
形態 体長2.5-3mm。植食性(虫えい形成) 宿主:クリ属 年1世代、単為生殖、幼虫越冬
繁殖形態 年1世代。若齢幼虫で越冬。5月芽の開き始めるころ越冬からさめた幼虫は加害を始め、芽は急速にふくらみ虫えい(虫こぶ)となり、新梢の伸長が止まる。虫えい(虫こぶ)内で成熟した幼虫は蛹になり、8月上旬~9月上旬に成虫となり虫えい(虫こぶ)から脱出して、新しい芽に産卵する。成虫は雌だけで単為生殖による。ふ化した幼虫は芽の組織内に食入するが、その年は虫えい(虫こぶ)とはならない。
生息環境 クリ園、森林
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 不明
農林水産業への影響 大発生すると栗の実が収穫できなくなる。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 不明
社会的要因 1960年代に本州で改良されたクリタマバチ抵抗品種(クリ)は、本道で結実しにくいため導入が進まず、本種の分布が拡大したと考えられる。
特徴並びに近縁種、類似種 不明
対策 天敵(チュウゴクオナガコバチ)の導入による防除が行われている。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  林業試験場 原秀穂氏 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 館山一郎・佐々木雅人(1965). 北海道のクリタマバチ発生状況,森林防疫ニュース,14(5):9-10.
館和夫・上条一昭・鈴木重孝(1966). 北海道におけるクリタマバチの発生状態,15回林業技術研究発表会論文集:116-121,北海道林業普及協会,札幌.
山口博昭(1972). 森林害虫の被害診断とその対策(6)害虫の手引き(3),北方林業,24:88-91.
館和夫(1997). 道内におけるクリタマバチの天敵放飼,森林保護,262:41-42.
村上陽三(2002). クリタマバチ,日本生態学会編,外来種ハンドブック:147,地人書館.