コイ
  魚類 ⁄ 国内外来種
コイ
目名 コイ目
科名 コイ科
種名(亜種名 コイ
学名 Cypriunus carpio
地方名 マゴイ ノゴイ
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100  世界の侵略的外来種ワースト100(IUCN)
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ユーラシア大陸の温帯部。自然分布の限界は不詳である。
導入年代 不明
初報告 不明
全国分布 全国各地に広く分布する。
道内分布 北海道各地の河川の下流域、湖沼に広く分布・各地のダム湖に広く分布する。
導入の原因 本種はロシア極東域にも分布しているため在来種であるという可能性もあるが、本州からの移入であるという説が有力である。内水面養殖・漁業の有用魚種であるため過去に積極的に移入された。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 口には2対4本のヒゲがあり、フナ属と判別できる。全長60cm、希に100cmに達する。 付着藻類や植物、タニシなどの水生生物まで食す雑食性である(*1)。
繁殖形態 北海道での産卵期は5月上旬から初夏にかけて、水草などがある場所水深30~60cmの場所で行われる。卵は沈性で水草などの付着する。抱卵数は約20~30万粒。
生息環境 平野部の湖沼や河川の中流域以下。河川では流れの緩やかな深い場所に多い。
特記事項 北アメリカやアフリカなど極端に離れた地域に移植された場合、大きな生態的影響を与えている。その一方、北海道でコイと同所的に分布する在来魚は概ね日本やアジアの他地域で共存する関係にあり、極端な競合や駆逐などの大きな影響を与える可能性は低いと思われる。但し、移入の場所によっては索餌行動によって底質を掘り返し、環境変化を引き起こす場合がある。また現在コイヘルペスウイルスが蔓延しており、安易な移動は禁物である。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 植生などへの影響、在来種との交雑による遺伝的攪乱
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 水生植物を採餌するため。また、本州方面では日本在来のコイとの種間交雑が判明している。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 フナ属とは口ひげの有無で判別できる。また、本道には生息しないが日本在来コイもおり、詳細な判別は困難。
対策 不明
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  酪農大吉田研究室 提供   酪農大吉田研究室 提供  
  酪農大吉田研究室 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド.114p.文一総合出版,東京
Berg, L. S. 1964. Freshwater fishes of the U. S. S. R. and adjacent countries, Vol. 2 , 4th edn. Israel program for scientific translation. Jerusalem.
後藤晃・中西照幸・宇藤均・濱田慶吉.1978.北海道南部の河川の魚類相についての予察的研究.北海道大学水産学部研究彙報,29,118-130.
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
春日井潔.2003.コイ.新北のさかなたち(上田吉幸・前田圭司・嶋田 宏・鷹見達也編),pp.126-131,北海道新聞社,札幌.
宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976.原色日本淡水魚類図鑑 全改訂新版.462p.保育社,大阪.
森為三.1939.原色満州有用淡水魚類図説.55p.南満州鉄道株式会社,大連.
中村守純.1969.日本のコイ科魚類.455p.資源科学研究所,東京.
日本生態学会編.2002.外来種ハンドブック.390p.地人書館,東京.