イチビ
  植物 ⁄ 国外外来種
イチビ
科名 アオイ科
種名(亜種名 イチビ
学名 Abutilon theophrasti (L.)Medic.
英名 Velvetleaf
異名 キリアサ
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 インド
導入年代 戦前
初報告 不明
全国分布 北海道~沖縄
道内分布 各地に点在
導入の原因 輸入飼料に混入して移入

種の生物学的特性

生活史型 一年草
形態 40-80cm
開花時期 7-8月
生息環境 荒地や河原、飼料畑、畑、空地など
特記事項 亜寒帯~熱帯に分布する。両性花。虫媒花。分果は風、雨、動物(胃中含む)、人間により伝播される。1個体当たりの種子生産量は4,300個、種子の寿命は20年以上との報告がある。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 植生などへの影響、競合・駆逐の可能性、在来生物への病気・寄生虫の媒介
農林水産業への影響 輸入飼料に混入し飼料畑、畑などに発生し強害雑草化している。畑作物や牧草と競合するとともに、飼料に混入すると牛乳が異常風味になる。また、表皮が丈夫な繊維質で容易に切れない植物なので、作物に混入すると収穫の妨げになるなどで、強害雑草とされている。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 日当たりの良い温暖な肥沃地を好むが、日当たりに対する適応性がある。土壌の種類を選ばない。強い異臭をもつ。
社会的要因 日本の畜産業が輸入濃厚飼料に依存するようになり、一戸当たりの家畜の飼養頭数の増大によって未熟状態の糞尿が圃場に投棄されるようになった。
特徴並びに近縁種、類似種 形態的変異が多い。繊維作物として古くから導入されてきた系統と、近年になってから輸入穀物に混入して侵入してきた系統が区別されている。イチビ属は世界で約100種が知られる。日本には2種が自生する。本種以外に、ショウジョウカの野生化が報告されている。イチビの名はシナノキ科のツナソに用いることもある。イチビ属の植物は、アブチロン等の総称や通称で流通するものも含め、複数種が観賞用等に利用されている。
対策 抜き取りによる防除が行われる。繊維作物なので刈り取りにくい。圃場における除草剤の散布、耕起も行われる。微生物防除剤の開発が行われている。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.72.
伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹(1994)北海道高等植物目録Ⅲ.p.316.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.98.北隆館.
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.194.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.184.全農協.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.135.平凡社
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#25
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.577.