爬虫類 ⁄ 国外外来種 | ||||
アカミミガメ | ||||
目名 | カメ目 | |||
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科名 | ヌマガメ科 | |||
種名(亜種名*) | アカミミガメ ( ミシシッピアカミミガメ ) | |||
学名 | Trachemys scripta elegans | |||
カテゴリー | 北海道 | A2 | ||
環境省 | 要注意外来生物 | |||
ワースト100 | 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) / 世界の侵略的外来種ワースト100(IUCN) | |||
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。 ●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。 |
原産地 | 亜種ミシシッピアカミミガメはアメリカ合衆国南部からメキシコ北東部 |
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導入年代 | 1950年代後半以降 |
初報告 | 1993年(*1) |
全国分布 | 北海道、本州、四国、九州、沖縄島、小笠原父島 |
道内分布 | 札幌市・帯広市では繁殖が確認され、函館市・北見市でも越冬が確認されている。その他、江別市・小樽市・木古内町・北広島市・士別市・洞爺湖町・苫小牧市・富良野市でも個体捕獲の記録がある(*2~9)。 |
導入の原因 | ペットとして飼育していたものが、遺棄されたと推察される。 |
生活史型 | 春に冬眠から覚めると夏に活動し、晩秋に水中で冬眠を開始する。日光浴を良く行う。 |
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形態 | 甲長は12~25cm、幼体は緑色をしており成長につれて少しずつ黒化していく。幼体時は水生昆虫などの動物質を主に食べるが、成体になると昆虫や甲殻類その他小動物などの動物質も食べるが、水草などの植物質も食べるようになる。目の後ろに赤い斑紋がある。 |
繁殖形態 | 4月から7月に、穴を掘って2~22個の卵を産む。 |
生息環境 | 流れのゆるやかな河川や低地の湖沼に生息する。 |
特記事項 | 繁殖の記録は少ないが越冬能力に優れ長生きするので、放逐された個体が各地で散発的に見つかる。雑食性。 |
被害の実態・おそれ | 生態系にかかる影響 | 他の小動物を捕食して生態系を攪乱している可能性が高い。 |
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農林水産業への影響 | 不明 | |
人の健康への影響 | 不明 | |
被害をもたらしている要因 | 生物学的要因 | 道内在来種には亀は生息せず、湖沼河川における大型の捕食者である。越冬能力が高い。 |
社会的要因 | ペットとして導入された。ミドリガメとして現在も販売されており、流通数はとても多い。 やや大型になり性格が粗暴になる、サルモネラ菌を頒布すると噂される、長命であるなどの理由で飼育者により放流されたものが定着したと思われる。 | |
特徴並びに近縁種、類似種 | 在来種には近縁種等はいないが、ペットの遺棄などでミシシッピアカミミガメ以外にもクサガメが散見される。ミシシッピアカミミガメではその名が示す通り、鼓膜周辺に赤い斑点があるがクサガメには見られない。またミシシッピアカミミガメの背甲にはキールと呼ばれる盛り上がった縦筋はあまり目立たないが、クサガメでは3本のキールが顕著に見られる。 | |
対策 | 水底の泥を除去することが可能な環境であれば、それにより越冬する環境をなくすことは出来る。 ワナなどによる捕獲をしていくことでも一定の効果はあるものと思われる。 飼育管理の徹底と適切な飼育の啓発。 | |
その他の関連情報 | 特になし |
備考 | 輸入と遺棄の禁止が対策の効果として高いと推定されるが、本種を規制すると都市部を中心に大量に遺棄される可能性がある。 本種の規制により、クサガメ、アカミミガメ以外のスライダーガメ属、クーターガメ属のようなカメ類が代替えのペットとして大量に流通し、遺棄される可能性がある。 |
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参考文献 | (*1)竹中践(2002)爬虫類・両生類相とその分布.「生態学からみた北海道」(東正剛ほか編),pp.198-208.北海道大学図書刊行会. 多紀保彦(2008).アカミミガメ.日本の外来生物―決定版.pp.86-87.平凡社 安川雄一郎(2002)陸生・ミシシッピアカミミガメ.「外来種ハンドブック」(日本生態学会編),p.97.地人書館. 安川雄一郎(1996)陸生・淡水生カメ類.「日本動物大百科5両生類・爬虫類・軟骨魚類」(千石正一ほか編),pp.56-63.平凡社. 安川雄一郎(2005)今後日本国内に定着するおそれの高い淡水性カメ類について(日本爬虫両生類学会誌2005-2,pp15) (*2)生物多様性調査動物分布調査報告書(第5回・両生類爬虫類),p51,67,69,73,100,環境省自然環境局・生物多様性センター (*3)池田享嘉(1996)北海道帯広市緑ヶ丘公園十勝池のガンカモ類(帯広百年記念館紀要14,pp29-36) (*4)「侵略」の歩みは遅くない?北海道カメ事情.「モーリーNo.17」.pp.20-23.北海道新聞社 (*5)さけ科学館調査_淡水魚ほかの記録 2002年~2008年(札幌市豊平川さけ科学館) (*6)シリーズ環境創世「迫る外来種」(7)(2008年9月22日),苫小牧民報 (*7)「ミドリガメ」放流はダメ 死骸発見、越冬や繁殖?*小樽.(北海道新聞2005年6月9日朝刊) (*8)<オホーツクの外来種物語>2*アカミミガメ*道内で越冬の事例も(北海道新聞2007年8月4日朝刊) (*9)外来のカメ 越冬確認*生態系脅かす存在*旭丘高生物部*「ペット放さないで」呼び掛け.(北海道新聞2006年7月11日朝刊) アカミミガメ(Trachemys scripta)に関する情報.外来生物法.環境省自然環境局 ミドリガメには手を触れないで 常盤・野付牛公園に北見市が注意看板設置(経済の伝書鳩2006年5月11日) 自然環境下のミドリガメ見つかる(経済の伝書鳩2006年5月9日) 要注意外来種ミドリガメ*洞爺湖畔で初確認(北海道新聞2007年9月15日夕刊) 迷いカメ 保護してます*ミドリガメか*士別署(北海道新聞2007年8月3日朝刊) |
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