両生類 ⁄ 国内外来種 | ||||
トノサマガエル | ||||
目名 | 無尾目 | |||
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科名 | アカガエル科 | |||
種名(亜種名*) | トノサマガエル | |||
学名 | Rana (Pelophylax) nigromaculata | |||
カテゴリー | 北海道 | A3 | ||
環境省 | ||||
ワースト100 | ||||
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。 ●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。 |
原産地 | 日本、朝鮮、中国、ロシア沿海州の一部 |
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導入年代 | 1993年以前 |
初報告 | 1993年(*1) |
全国分布 | 北海道、本州、四国、九州 |
道内分布 | 札幌市、恵庭市、江別市、北広島市、南幌町(*1,4~11) |
導入の原因 | 学校教材として持ち込まれた可能性がある(*2)。 |
生活史型 | 成体は水辺周辺で過ごす。幼生は止水に生活し、6月下旬から9月にかけて上陸。上陸した幼体は水田のあぜや草むらで過ごす。 |
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形態 | 体長は55~90mm。幼生はほぼ植物食だが、上陸後の幼体や成体は完全な肉食で、生きている昆虫やクモを主に捕食する。多くの個体で背中の中央に明るい縦条がある。背面には不規則に融合した黒い斑紋が散らばる。 |
繁殖形態 | 4~7月に水田や湿地の浅い止水で繁殖する。産卵数は1800~3000個。メスは1シーズン1回産卵。幼生期間は約1ヶ月半。 |
生息環境 | 平地から山ぎわにかけての水田、池などに生息する。 |
特記事項 | トノサマガエルとよく似たトウキョウダルマガエルも岩見沢市に定着している。 |
被害の実態・おそれ | 生態系にかかる影響 | 他の小動物を捕食して生態系を攪乱している。 カエルやサンショウウオの幼体などを捕食し、生息に競合を起こすおそれがある。 両生類の安易な移動放逐は両生類の伝染病を蔓延するおそれがある。 |
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農林水産業への影響 | 不明 | |
人の健康への影響 | 不明 | |
被害をもたらしている要因 | 生物学的要因 | 北海道に生息する在来のカエルより大型で、生態系の上位捕食者である。 世界的規模での両生類の減少に関わる感染症としてカエルツボカビとラナウイルスが重要視され、両生類の安易な移動は両生類に広く感染をもたらす病気を媒介するおそれがある。 |
社会的要因 | 学校教材などで流通する。 | |
特徴並びに近縁種、類似種 | 「グルルル、グルルル」という声で鳴き、在来のエゾアカガエルやニホンアマガエルと声が全く違うため、生息の確認はしやすい。 外観でトウキョウダルマガエル(北海道ではこの種も外来種)によく似る。トウキョウダルマガエルは背中や側頭部の黒い斑紋が丸く孤立していることやトノサマガエルより後肢が短いことが相違点として挙げられるが、判別は難しい。 | |
対策 | 捕獲、卵塊の除去。放逐や移動が起こらないよう教育、啓発。 飼育や管理において逸走しないよう徹底。 | |
その他の関連情報 | トノサマガエルは平成20年3月時点で野外でのカエルツボカビ感染陽性報告がある(*3)。 |
備考 | よく似たトウキョウダルマガエルが岩見沢市にも定着が確認されており、これらの識別の混乱が予想される。 |
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参考文献 | (*1)竹中践(1993)北海道・広島町におけるトノサマガエルの生息状況.爬虫両棲類学雑誌.15(2).84. (*2)斎藤和範(2002)北海道に持ち込まれたカエル類.「外来種ハンドブック」(日本生態学会編),p.232.地人書館. 前田憲男,松井正文(1989)トノサマガエル.日本カエル図鑑.pp84-87.文一総合出版. 松井 正文(2007) スタイネガー(1907)に掲載された日本とその周辺地域産無尾両生類を見直す.日本爬虫両生類学会誌2007-2.pp.164-172. (*3)財団法人自然環境研究センター(2008) 平成19年度 カエルツボカビ実態把握調査検討業務報告書. 宇根有美(2009) 両生類のラナウイルス感染症.モダンメディア2009第7号.pp189-197.栄研化学株式会社 (*4)生物多様性調査動物分布調査報告書(第5回・両生類爬虫類),p51,67,69,73,100,環境省自然環境局・生物多様性センター (*5)斎藤和範(2004)北海道に生息するカエル類.「モーリーNo.11」.pp.60-65.北海道新聞社 (*6)高井孝太郎他(2007)北海道におけるトノサマガエルの分布.爬虫両生類学会報.2007(1).p72 (*7)義久侑平(2009)石狩平野に侵入したトノサマガエルRana nigromaculataによる生物群集の捕食とその影響.酪農学園大学環境システム学部生命環境学科卒業論文 (*8)斎藤和範(1998)北海道におけるトノサマガエルおよびトウキョウダルマガエルの新分布地.旭川市博物館報告.4.pp25-29 (*9)竹中践(1997)北海道に帰化したトノサマガエルの北広島市における分布.北海道東海大学紀要. 理工学系.10.pp43-49 (*10)堀繁久他(2002)野幌森林公園の両生類について.北海道開拓記念館研究紀要.30.pp21-26 下山良平(1996)トノサマガエル.「日本動物大百科5両生類・爬虫類・軟骨魚類」(千石正一ほか編),p36-38,43.平凡社. (*11)(2009現在)さけ科学館調査_淡水魚ほかの記録.2002年~2008年(札幌市豊平川さけ科学館) |
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