ワルナスビ(シロバナワルナスビを含む)
  植物 ⁄ 国外外来種
ワルナスビ(シロバナワルナスビを含む)
科名 ナス科
種名(亜種名 ワルナスビ(シロバナワルナスビを含む)
学名 Solanum carolinense L.
英名 Carolina horsenettle
異名 オニナスビ
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ
導入年代 戦後
初報告 北海道の花(1993)
全国分布 北海道、本州(関東南部以西)~沖縄
道内分布 石狩、後志、渡島、上川支庁
導入の原因 トマトの苗木の台木に使用され、逸出。作物種子混入もあり。

種の生物学的特性

生活史型 多年草
形態 30-70cm
開花時期 6-9月
生息環境 畑地、樹園地、牧草地、荒地、路傍、河川敷、市街地など
特記事項 温帯~熱帯に分布する。茎、葉脈上、花序に鋭い棘がある。両性花。液果は風、雨、動物の他、牧草に混入して伝播される。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 植生などへの影響、競合・駆逐の可能性
農林水産業への影響 牧草地、樹園地、畑地でみられる雑草である。棘があり、有毒植物で家畜が食べないことから群生する。種子混入による作物の品質低下も問題となっている。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 土壌環境での適応性は大きい。耐旱性や耐陰性がある。土壌中の種子の寿命は112年にも及ぶとの報告がある。地下茎断片による繁殖力が強い。 ソラニンなどのアルカロイドを含む有毒植物である。アレロパシー作用に関する検討がある。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 花が白色のものはシロバナワルナスビと呼ばれる。ナス属は世界に約1700種ある。日本には数種が自生する。キンギンナスビ、アメリカイヌホオズキ、ラシャナス、トマトダマシ、ハリナスビ、ヒラナス、キダチハリナスビ、アカミノイヌホオズキ、ムラサキイヌホオズキ、オオイヌホオズキ、タマサンゴ、ケイヌホオズキなどが野生化している。食用に栽培されるナスS.melongenaの他に、ナス(ツギ木苗)の呼称で流通するものがある。
対策 侵入経路や分布拡大のメカニズムを把握し、効果的な防除方法や分布拡大の抑制策の検討が望まれる。既に各地で定着しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。地上部の切除や地下部の切断だけによる防除は難しく、機械耕耘は逆に繁茂を助長する。
その他の関連情報 植物防疫法により、侵入を警戒している病害虫の発生地域からなす科植物又はなす属の輸入が禁止されている。

写真・イラスト

  五十嵐 博 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.94.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.64.北隆館.
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.118.保育社.
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.285.全農協.(白花記載はなし)
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#31
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.181,182.平凡社