ナマズ
  魚類 ⁄ 国内外来種
ナマズ
目名 ナマズ目
科名 ナマズ科
種名(亜種名 ナマズ
学名 Silurus asotus
地方名 マナマズ
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 日本(本州、四国、九州)。国外では朝鮮半島西部、東部シベリア、中国大陸全土。
導入年代 1920年代
初報告 1954年(*1)
全国分布 全国各地に広く分布
道内分布 北海道南部の河川や湖沼、石狩川水系、天塩川水系
導入の原因 本種は天然分布の可能性も捨て切れないが、移入という説が有力である。他の内水面有用魚種に混じって移入されたものと考えられる。石狩川水系のものは本州からのワカサギ種苗に混じって移入されたと推定される。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 大きく扁平な頭部と幅広い口、長い口ヒゲがある。体は左右に平たく側扁するが、頭部は上下につぶれたように縦扁している。鱗がなく、体表はぬるぬるとした粘液で覆われている。全長60cmに達し、小魚や甲殻類等の水生生物やカエルなどを貪欲に捕食する(*2)。
繁殖形態 本州では5月中旬から7月上旬に小川や水田にさかのぼり、水草などに産卵する。泥底に転がる卵もあるがそのまま発生する。石狩川水系では6月下旬から7月上旬に産卵するものと思われる。
生息環境 湖沼や河川の中下流域で泥底を好む。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 上位捕食者としての影響
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 上北海道でナマズと同所的に分布する在来魚は概ね日本やアジアの他地域で共存する関係にあり、極端な競合や駆逐などの大きな影響を与える可能性は低いと思われる。但し、上位捕食者としての影響が懸念される。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 在来の同属2種は、琵琶湖水系にのみ生息しており、他に特に酷似する種はない。
対策 不明
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  Shao, Kwang-Tsao 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)Sato, S and Kobayashi, K. 1954. Notes on the ichthyofauna of the fresh waters in Hokkaido, Japan. Bull. Fac. Fish. Hokkaido Univ., 4, 268-272.
(*2)小早川みどり.1989.ナマズ.日本の淡水魚 (川那部浩哉,水野信彦編),pp.412-415,山と渓谷社,東京.
Berg, L.S. 1964. Freshwater fishes of the U. S. S. R. and adjacent countries, Vol. 2, 4th edn. Israel program for scientific translation. Jerusalem.
後藤晃.1991.魚類.「北海道自然環境図譜」,pp.271-304,前田一歩園財団,阿寒.
後藤晃・中西照幸・宇藤均・濱田啓吉.1978.北海道南部の河川の魚類相についての予察的研究.北海道大学水産学部研究彙報,29,118-130.
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
小林弘・安達栄徳.1957.石狩川流域のナマズに就て.北海道学芸大学紀要第二部,8,119-123.
宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976.原色日本淡水魚類図鑑 全改訂新版.462p.保育社,大阪.
森為三.1939.原色満州有用淡水魚類図説.55p.南満州鉄道株式会社,大連.