コウロエンカワヒバリガイ
  昆虫以外の無脊椎動物 ⁄ 国外外来種
コウロエンカワヒバリガイ
目名 イガイ目
科名 イガイ科
種名(亜種名 コウロエンカワヒバリガイ
学名 Xenostrobus securis
地方名  
カテゴリー 北海道 h
環境省 要注意外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 オーストラリアおよびニュージーランド沿岸
導入年代 北海道では不明、国内では1970年代に静岡県で生息が確認された。
初報告 不明
全国分布 富山県から福岡県の日本海岸、瀬戸内海、東京湾から高知県の太平洋岸
道内分布 バラスト水による侵入の可能性大
導入の原因 バラスト水による浮遊幼生の侵入

種の生物学的特性

生活史型 寿命1~2年
形態 殻長約30mm
繁殖形態 水中抱卵、放精
生息環境 浅海域の岩礁、人口構造物(港湾施設)に足糸で付着
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 都市部の内湾や潮間帯の優占種となっており、付着基盤を高密度に被覆するなどして群集構造を大きく変化させているおそれがある。九州の洞海湾においては年2回の新規加入があるとされ、環境悪化地域における個体群維持に有利であることが示唆されている。他の固着生物と固着空間をめぐり競合するおそれがある。
農林水産業への影響 船舶や利水施設に汚損被害を与えている。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 水質汚濁や幅広い塩分に耐性がある。水中に抱卵受精し、浮遊幼生期を持つことから、海域を通じて広範囲に拡散できる。成長が早く,最短1年で成熟すると思われる。着基盤を高密度に被覆する。
社会的要因 原産国で大型輸送船のバラスト水に混入した浮遊幼生が、日本の内湾や河口域に進入したと考えられる(原産国との貿易量の増大と貝の侵入時期が一致する)。
特徴並びに近縁種、類似種 汽水産二枚貝。カワヒバリガイと似ているが、殻色や殻頂の位置、殻内面の筋痕の形状などで識別できる。
対策 バラスト水の沿岸での排水禁止
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 木村妙子,2002. コウロエンカワヒバリガイ〜二次的な移出が心配される内湾の外来二枚貝. 外来種ハンドブック.
小濱剛・門谷茂・梶原葉子・山田真知子, 2001. ムラサキイガイおよびコウロエンカワヒバリガイの個体群動態と過栄養海域における環境との関係. 日本水産学会誌, 67: 664-671.
自然環境研究センター, 2008. コウロエンカワヒバリガイ. 日本の外来生物.
木村妙子, 1994. カワヒバリガイとコウロエンカワヒバリガイの形態的な識別点. ちりぼたん, 25(2): 36-40.
木村妙子, 2001. コウロエンカワヒバリガイはどこから来たのか?-その正体と移入経路-. 黒装束の侵入者—外来付着性二枚貝の最新学—.