ブタクサ
  植物 ⁄ 国外外来種
ブタクサ
科名 キク科
種名(亜種名 ブタクサ
学名 Ambrosia artemisiifolia L.
英名 Common ragweed
異名  
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A2
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ
導入年代 戦前
初報告 不明
全国分布 北海道~沖縄
道内分布 南西部に多い
導入の原因 作物、芝生種子などに混入し、移入

種の生物学的特性

生活史型 一年草
形態 30-60㎝
開花時期 7-9月
生息環境 畑地、牧草地、空地、道端、河川敷など
特記事項 温帯~熱帯に生育する。窒素分の多い酸性土壌を好む雌雄同株。風媒花。種子生産量は32,000~62,000個/株。発芽には10~40℃の恒温よりも10℃/30℃の変温が適。発生深度は2.5~15.5cm。土中種子の寿命は39年以上。PH6~7で生育良好。 総苞に包まれた痩果(偽果)をつくる。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 上高地への侵入がみられ、特に注意を要する種とされている。天竜川では代表的な外来植物の一つとなり、他の外来植物とともに、固有種などの在来種と競合し、駆逐するおそれが指摘されている。
農林水産業への影響 世界的にみられる畑地・牧草地の雑草である。
人の健康への影響 花粉症の原因植物である。1969年に世田谷区が小児ぜんそくの原因花であると発表した。アメリカ合衆国やカナダでは、花粉症対策の研究や防除のために、国家的な規模で多額の研究資金が使われている。花粉症の人はブタクサが少ない地域に移住するという。抜き取りや刈り取りで防除が行われるが、除草剤(アトラジン)抵抗型があるとされる。ブタクサを食害するブタクサハムシが1996年に千葉県で確認されて以来、全国に急速に広まった。韓国では輸入禁止植物とされている。
被害をもたらしている要因 生物学的要因 土壌の種類や水分に対する適応性は大きい。種子生産量は32,000~62,000個/株と多い。土中種子の寿命は39年以上と長い。痩果(偽果)は、雨、鳥、人間など様々な手段により伝播される。アレロパシー作用に関する研究が行われている。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 ブタクサ属は世界に25種ある。日本には自生種はない。オオブタクサ(クワモドキ)、ブタクサモドキが野生化。変異が多く、ウスゲブタクサ(ケナシブタクサ)、ケブタクサ(ビロードブタクサ)の2型があるとされるが、中間型も存在する。神奈川県横浜市では、雄性の頭花がなく、頂生の花序も全て雌性の頭花になったメブタクサの記録がある。オオブタクサとの雑種オニブタクサ(A. ×helenae)がある。 
対策 侵入経路や分布拡大のメカニズムを把握し、効果的な防除方法や分布拡大の抑制策の検討が望まれる。既に各地で定着しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。
その他の関連情報 旭川市の周辺河川敷では雪捨て場で大発生が確認されている。(旭川の帰化植物)

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 伊藤浩司・日野間彰(1987)北海道高等植物目録Ⅳ.p.137.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.3.北隆館
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.81-82.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.314.全農協.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.198.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.911.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#39
日本の外来生物 平凡社より引用
日本の帰化植物 平凡社より引用