ブタナ
  植物 ⁄ 国外外来種
ブタナ
科名 キク科
種名(亜種名 ブタナ
学名 Hypochoeris radicata L.
英名 Catsear
異名  
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A2
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ヨーロッパ (北東部を除く)
導入年代 戦前
初報告 舘脇(1933)真駒内(タンポポモドキで発表)
全国分布 日本各地
道内分布 道内各地(道東少ない)
導入の原因 穀物飼料、牧草、緑化用の輸入種子に混入して導入された。

種の生物学的特性

生活史型 越年草
形態 40-60㎝
開花時期 7-9月
生息環境 道端、荒地、川原、牧場、芝地など
特記事項 温帯~熱帯に生育する。頭状花、虫媒花。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 河川敷や牧草地等へ侵入するため、河原に固有な在来種や牧草への競合・駆逐のおそれがある。
農林水産業への影響 穀物飼料、牧草、緑化用の輸入種子に混入する。群生してしまうと芝生を枯らしてしまうなどの被害がある。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 痩果は、風、鳥、牧草種子への混入など様々な手段により伝播される。1個体当たりの種子数は多く、2,329個に及ぶとの報告がある。種子の寿命は長く、2ヶ月以内との報告がある。根茎により旺盛に繁殖する。刈取、踏圧に耐性あり。
社会的要因 穀物飼料、牧草、緑化用の輸入種子に混入するなど、非意図的導入により侵入した。1933年に札幌で、1934年に六甲山で採集された。1940年代以降に分布を拡大し、全国でみられるようになった。
特徴並びに近縁種、類似種 キク科の多年草。エゾコウゾリナ属は世界に約70種ある。日本に自生するのは1種。本種以外にヒメブタナの野生化が報告されている。類似種のヒメブタナ(ケナシブタナ)と雑種アイノコブタナをつくる。葉の形は変異が大きい。タンポポ類に似るが、葉の切れ込み具合や、分枝した茎葉に花をつけることで区別できる。類似種として、Taraxacum officinale、Leontodon autumnalis、Hypochoeris glabraなどがある。
対策 侵入経路や分布拡大のメカニズムを把握し、効果的な防除方法や分布拡大の抑制策の検討が望まれる。 既に各地で定着しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。
その他の関連情報 ロゼット葉なので草刈りに強い。

写真・イラスト

備考

備考 1933年(舘脇 初報告)札幌市に帰化したものにタンポポモドキと命名され(伊藤浩司)、翌年、北村四郎によって兵庫県六甲山に帰化したものにフランス語名(ブタのサラダ)からブタナの名がつけれれた。

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.124-125.
伊藤浩司・日野間彰(1987)北海道高等植物目録Ⅳ.p.170.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.35.北隆館
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.3.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.375.全農協.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.232.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.1030.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#40
日本の外来生物 平凡社 より引用