カササギ
  鳥類 ⁄ 国内外来種
カササギ
目名 スズメ目
科名 カラス科
種名(亜種名 カササギ ( カササギ ) 
学名 Pica pica sericea
カテゴリー 北海道 B
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 留鳥として、アムール川流域、ウスリー地方、朝鮮半島、日本(九州)、中国南部広西チワン自治区、四川省、雲南省、海南島、台湾、インドシナに分布繁殖(*5)
導入年代 1980年代前半から記録されている(*1,2)。
初報告 北海道では1980年代初めから記録され、おもに室蘭から苫小牧にかけて分布するが、それ以外の地域でも散発的に記録されている。
全国分布 北海道では留鳥、一部迷鳥。新潟県、長野県でまれに繁殖。秋田県、島根県で迷鳥。九州福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県で留鳥、宮崎県、鹿児島県で迷鳥(*3,4,5)。
道内分布 1983年函館市、室蘭市で、その後、1986年苫小牧市、1988年稚内市、1989年羅臼町、1990年天売島、1994年浦幌町、1998年松前町、2000年登別市、2001年大成町、2002年大野町、2002年栗山町などで記録された(*1,2)。室蘭市、登別市、白老町、苫小牧市ではほぼ年間を通して観察され、巣作りも数年にわたって見られる(*6)。
導入の原因 不明

種の生物学的特性

生活史型 留鳥、一部迷鳥(*3,4,5)
形態 全長約45㎝、翼長20㎝、体重約240g。雌雄同色。白と黒の羽色をした尾の長い鳥。肩羽、初列風切羽内弁、腹部は白色で、体の他の部分は黒い。翼と尾に緑や青の金属光沢がある。くちばしと脚は黒色(*4)。
繁殖形態 村落または市街地の高木に、ほぼ球形の大きな巣を作る。ときには電柱が樹木の代わりに使われる。産卵数は5~7個。抱卵期間は17~18日。つがいでなわばりを一年中維持する(*3,4)。
生息環境 平地の低木林、農耕地、樹木の多い市街地に生息する(*3,4,5)。
特記事項 苫小牧市における記録(*3)を含め、胆振地方では10年以上にわたって記録され、繁殖も確認されており、定着し、留鳥となっているようであるが、個体数が急激に増加している兆候はみられていない(*6)。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 不明
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 不明
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 カラス科に属するが、白と黒の羽色および長い尾から、他のカラス類との識別は容易である。
対策 不明
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  酪農大吉田研究室 提供   酪農大吉田研究室 提供  

備考

備考 日本における分布は、九州北西部の筑紫平野を中心とした狭い地域に限られている。これは400年ほど前に豊臣秀吉が朝鮮出兵の折り、朝鮮半島から九州に持ち込まれたものが定着したとされている(*3,4)。

参考文献

参考文献 (*1)藤巻裕蔵.2000.北海道鳥類目録改訂2版.帯広畜産大学野生動物管理学研究室.
(*2)樋口孝城.2003.野鳥情報と新聞報道−カササギを例として−. 北海道野鳥だより134:8-9.
(*3)清棲幸保.1978.日本鳥類大図鑑Ⅰ.講談社.
(*4)日本動物大百科第4巻鳥類Ⅱ.1997.平凡社.
(*5)日本鳥類目録編集委員会.2000.日本鳥類目録改訂第6版.日本鳥学会.
(*6)堀本富宏.2004.北海道胆振地方におけるカササギの記録.山階鳥学誌,36:87-90,2004
江口和洋・天野一葉 1999 移入鳥類の帰化 日本鳥学会誌 47 pp。97-114