キンギョ
  魚類 ⁄ 国外外来種
キンギョ
目名 コイ目
科名 コイ科
種名(亜種名 キンギョ
学名 Carassius auratus 
地方名 ヒブナ(混称)
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 中国大陸
導入年代 不明
初報告 1987年
全国分布 各地の池沼
道内分布 各地の池沼、春採湖
導入の原因 観賞魚として大量かつ広範に流通しており、これらが逃逸または放流されたものと思われる。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 体色は白、オレンジ、赤、黒などさまざまであるが、孵化してからしばらくの間はフナと同じく黒色をしており、褪色現象により徐々に赤い色などに変化していく。全長20cm、希に30cmに達する。 鰭の形状は、改良品種によってさまざま。雑食性でミズゴケなどの植物食から小型の水生生物まで捕食する。
繁殖形態 関東地方では4月上旬から6月上旬に産卵する。産卵は期間中7~10日の間隔で数回行われる。卵は水草などに付着する。
生息環境 湖や池沼のあまり流れのない淀みに生息する。
特記事項 北アメリカでは野生化したキンギョが広く定着しており、これらの個体群は尾びれはフナ尾で、また自然選択により体色が緑褐色に戻ることが報告されている。 このようなキンギョは他のフナ属魚類と識別が困難である。なお、春採湖にはヒブナとは別に1916年に放流されたキンギョの子孫が繁殖していることが知られている。 観賞魚として大量かつ広範に流通しており、分布の拡大する可能性をはらんでいる。また、二倍体のギンブナとの交雑について注意する必要がある。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 在来種との競合と駆逐の可能性、在来種との交雑による遺伝的攪乱
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 元来がヒブナの改良種であったため、属間交雑が発生しやすいと推測される。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 ヒブナに似るほか、野生化個体ではコイのような緑褐色になるものもいることが報告されており、一般に判別は困難である。キンギョは品種改良が進んでおり、多種多様な形態があり実態を把握するのは困難である。
対策 観賞魚として広範に流通しているので、野外放流しないよう注意を徹底する。
その他の関連情報 観賞魚として大量かつ広範に流通しており、分布の拡大する可能性をはらんでいる。野生化したキンギョは他のフナ属魚類と識別が困難になり、現状での分布の実態の把握は困難である。また、二倍体のギンブナとの交雑について注意する必要がある。

写真・イラスト

  酪農大吉田研究室 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 松井佳一.1940.金魚.178p.河出書房,東京.
Ojima, Y. 1987. The Origin of Natural Monument, scarlet crrucian carp (hibuna) in the Harutori Lake, Kushiro, Hokkaido, Japan. Proc. Japan Acad., 63, Ser B, 365-368.
Scott, W. B. and E.J.Crossmann. 1973. Freshwater fishes of Canada. Fish. Res. Bd. Canada Bull. 184. 866p.
鈴木克美.1997.金魚と日本人-江戸の金魚ブームを探る.250 p.三一書房,東京.