ニホンカラマツヒラタハバチ
  昆虫 ⁄ 国内外来種
ニホンカラマツヒラタハバチ
目名 膜翅目
科名 ヒラタハバチ科
種名(亜種名 ニホンカラマツヒラタハバチ
学名 Cephalcia lariciphila japonica
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 日本(本州)
導入年代 1993年
初報告 1994年
全国分布 北海道、本州
道内分布 ほぼ全域
導入の原因 侵入経路不明

種の生物学的特性

生活史型 完全変態
形態 成虫の体長は10mm前後。体は黒く黄色の斑紋がある。翅は透明、斑紋はない。卵は俵形、灰色っぽい緑色。長さは2mm弱。幼虫は触角がひげ状で、腹脚がなく、尾端の左右に1本の突起があるのが特徴。成長すると体長15-18mmになる。体は食害中は茶色。老熟するとたいてい黄色になる。植食性(食葉性) 宿で、カラマツ属を食害する(*1)。
繁殖形態 年1回発生。雌成虫は卵を輪生葉に1個ずつ産み付け、10日ほどで孵化する。幼虫は7月上旬に現れ、糸でトンネル状の巣を作って葉を食害する。十分成長した老熟幼虫は土に潜って丸い部屋を作り、前蛹になり越冬、翌春に蛹化、ついで羽化する。前蛹にならず幼虫のまま越冬する個体もかなりある。このような個体は翌年も土中にとどまる。翌々春に成虫になると思われるが、調査されていない(*1)。
生息環境 カラマツ林
特記事項 宿主(カラマツ属)が国内外来種

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 不明
農林水産業への影響 カラマツ植林への食害
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 不明
社会的要因 道内には、カラマツが広く導入されている。
特徴並びに近縁種、類似種 カラマツヒラタハバチとニホンアカズヒラタハバチに似るが、本種には体に黄色の斑紋があることで判別可能(*1)
対策 天敵導入(ヒメバチ科の1種,Homaspis sp.)による防除試験が1998年から進められている(*1)。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 福山研二・前藤薫・東浦康友・原秀穂(1995). 平成5年度に北海道で発生した森林昆虫,北方林業,46:291-294.
前藤薫・福山研二(1996). カラマツを食べるヒラタハバチに注意,森林保護,251:6-7.
Shinohara, A. (1997). Web-spinning sawflies (Hymenoptera, Pamphiliidae) feeding on larach. Bull. Natn. Sci. Mus. Tokyo, Ser. A, 23:191-212.
(*1)北海道の樹木や木材の害虫リスト;http://www.hfri.pref.hokkaido.jp/konchu/gaichu.htm