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被害の実態・おそれ |
生態系にかかる影響 |
浮遊性なので、水面を覆い尽くし光を遮ることで他の水生植物の光合成を阻害することが指摘されている。溶酸素濃度の低下をもたらし、アレロパシー作用を持つことも報告されているので、水生生物全体への影響は大きいと考えられる。 |
農林水産業への影響 |
不明 |
人の健康への影響 |
不明 |
被害をもたらしている要因 |
生物学的要因 |
日当たりが良い、温暖な場所を好み、株の越冬には水温10℃以上または、0℃以下の積算温度が-500℃・時間程度までとされる。寒冷地では、夏の間は一時的に増えるが冬を越せずに消える。水質に対する適応性は大きいが、水中の窒素やリン酸濃度が高いほど生育量が増大し、無機態窒素濃度が2ppm以上では生殖生長をしないとされる。溶酸素濃度の低下をもたらし、アレロパシー作用を持つことも報告されている。栄養繁殖は極めて盛んである。走出枝を1個体当たり数1,000個も出すことが知られる。4ヶ月足らずで6株が3,891株に増えた事例がある。 |
社会的要因 |
金魚用の浮き草として金魚と同じルートで、熱帯魚店、ペットショップだけでなく、園芸店、ホームセンターなどで広く流通・販売されている。個人が利用する以外に、窒素やリンを吸収するので水質浄化を目的として自治体等が放流したものが放置され繁茂している。現在販売されているのは、ほとんどが国内繁殖のものである。冬場の寒い時期に、一時的に海外から輸入されることがある。 |
特徴並びに近縁種、類似種 |
ミズアオイ科の浮遊性の多年草。底土を入れて根をはらすと生育や花付きが良くなる。染色体数2n=32。花に3型(長花柱花、中花柱花、短花柱花)があるが、日本ではほとんど中花柱花とされる。ホテイアオイ属は世界で6種が知られる。日本には自生種はない。本種以外にも数種が観賞用に輸入されているが、野生化の報告は今のところない。海外でも、本種以外は特に問題になっていない。 |
対策 |
湖沼の水質浄化やビオトープ創出等を目的とした水草の利用には、在来種を利用することが望まれる。生育初期の草魚の放流が有効とされるが、地上部は食べず、ホテイアオイのみ選択的に食べるものではないため、他の植物への影響は大きい。世界的に水路の水流阻害、船舶の運航や漁業の障害などが指摘されており、農薬散布、天敵導入、微生物除草剤の開発等が行われている。オーストラリアでは持ち込み禁止植物とされる。 |
その他の関連情報 |
特になし |