カワマス
  魚類 ⁄ 国外外来種
カワマス
目名 サケ目
科名 サケ科
種名(亜種名 カワマス
学名 Salvelinus fontinalis
地方名 ブルックチャー(英名および釣り人による呼称)
カテゴリー 北海道 A2
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ大陸北東部
導入年代 1930年代
初報告 1946年
全国分布 北海道、長野県、栃木県、岐阜県、宮城県、山口県など11道県
道内分布 西別川本流最上流部、空知川水系の数河川
導入の原因 食料供給用

種の生物学的特性

生活史型 淡水型、原産地では遡河回遊型もいる。
形態 1、2、3、4年でそれぞれ8~15、12~22、18~28、20~35㎝になり、原産地では最大80㎝に達する。
繁殖形態 多回産卵型。産卵期は10月下旬~12月上旬で、河川や湖の水通しの良い砂れき底で産卵する(*1,2)。
生息環境 河川の上流域の主に湧水域や止水域
特記事項 空知川水系では、アメマス(陸封型)との間での交雑が報告されている(*3)。本道における本種の分布域は局所的であり、現在のところ分布域が拡大する傾向は見られないためカテゴリーA2として推移を見守ることとする。しかし、将来的に他の水域への分布域拡大が懸念される状況になった場合は、再度カテゴリー見直しを行う種として留意する。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 在来種との競合と駆逐の可能性、在来種との交雑による遺伝的攪乱。
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 資源ニッチが在来の冷水性淡水魚と共通なため。また、元来イワナ属であるため、種間交雑が容易に発生しやすい。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 本道在来種のアメマス(陸封型)やオショロコマおよびその亜種ミヤベイワナに似るが、着色斑の状態で判別可能。
対策 北海道内水面漁業調整規則の移殖放流禁止対象である。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  長谷川雅広 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)小山達也. 2003.カワマス.新北のさかなたち(上田吉幸・前田圭司・嶋田 宏・鷹見達也編),pp.116-117,北海道新聞社,札幌.
(*2)北野 聡. 2002.カワマス.「外来種ハンドブック」(日本生態学会編),p.114,地人書館,東京.
(*3)北野聡,大館聡,et.2003..移入カワマスと在来アメマスとの交雑現象.日本生態学会講演要旨.52-5.p37.
久保達郎. 1946.各種河川魚の鮭鱒稚魚食害に就て.水産孵化場試験報告,(1),51-55.
Groot, C. 1996. Salmonid life histories. In Principles of Salmonid Culture (W. Pennell and B. A. Burton, eds.), pp. 97-230. Elsevier Science B. V., Amsterdam.
上高地イワナ問題検討会. 1982.上高地・梓川上流域におけるイワナに関する検討会報告抄(総合考察).淡水魚,(8),84-90.