コクチョウ
  鳥類 ⁄ 国外外来種
コクチョウ
目名 カモ目
科名 カモ科
種名(亜種名 コクチョウ
学名 Cygnus atratus
カテゴリー 北海道 C
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 オーストラリアとタスマニア。ニュージーランドには、人工的に導入され定着している(*1,2)。日本本土の各地の庭園などに、オーストラリアから導入された経緯が知られている。導入時期は不明。
導入年代 不明
初報告 北海道ではハクチョウに混じって飛来するのが2004年頃から目撃されている。
全国分布 日本各地の庭園で飼育されている。水戸市千波湖では、野生状態で繁殖が確認されている(*1)。 関東以北での飛来情報は石神井公園(東京都)、渡良瀬川(日光市)、五行川(栃木県)、阿武隈川(福島県)などの各地から報告されているため、水戸市以外でも自然繁殖の可能性がある。
道内分布 浜中町(火散布沼)、斜里町(知床岬文吉湾付近の海上、幼鳥)、美唄市(宮島沼)、千歳市(千歳川)などへの飛来が確認されているが、道内での繁殖事例はまだ報告がない。
導入の原因 愛玩用に飼育

種の生物学的特性

生活史型 原産地(オーストラリア)では留鳥
形態 成鳥: 体長110-140㎝。翼開長160–200 cm。羽色は黒色で、小翼羽、初列風切と次列風切の外側は白色。虹彩は、ピンクまたは赤みがかっている(*1)。
繁殖形態 原産地(オーストラリア)では非常に群居性が強く、数百つがいで集団繁殖している(*2)。
生息環境 淡水、汽水の沼地及び潟湖。河口、沿岸に入江にも生息。繁殖期以外では川や沼、海岸などの水辺に生息する(*2)。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 繁殖力が強いのでハクチョウや他の水鳥への脅威になる懸念がある。
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 繁殖力が強い。本州の複数個所で飼育されているが、自然繁殖の例も多い(*1)。水戸市千波湖では、野生状態で繁殖している。
社会的要因 本州を中心として日本各地の庭園や動物園等で飼育されており、これらの飼育地から移動した個体の観察例が増えている。自由に飛び回れる状態で飼育されている場所もあり、こうした飼育地から出た個体が別の場所で繁殖している可能性がある(*1)。
特徴並びに近縁種、類似種 形態はハクチョウに似るが、体全体が黒色のため、ハクチョウなど他のガンカモ類との識別は容易。クチバシは赤く、先端が白い(*2)。 メスは一般により小型で光彩と嘴はよりくすんだ色をしている。幼鳥は褐色で灰色の小斑があり、嘴の色は薄い(*1)。
対策 飼育する際には、風切り羽を切るなどして、他所へ飛出できないようにする。
その他の関連情報 野生状態で繁殖している水戸市千波湖では、コクチョウへの給餌の有無は不明であるが、巣を柵で囲って、人から保護している。

写真・イラスト

  谷川 毅 提供   谷川 毅 提供  

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)金澤裕司, 2008. 知床岬沖海上におけるコクチョウCygnus atratus.の記録. 知床博物館研究報告, 29: 21-22.
(*2)クリストファー・M・ペリンズ監修, 1996. 世界鳥類事典
各地新聞社のインターネット情報より(例:http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/region/news/20091217/253273)