アカハライモリ
  両生類 ⁄ 国内外来種
アカハライモリ
目名 有尾目
科名 イモリ科
種名(亜種名 アカハライモリ
学名 Cynops pyrrhogaster
カテゴリー 北海道 E
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 日本
導入年代 2009年以前(*2)
初報告 不明
全国分布 本州・四国・九州・佐渡・淡路島・隠岐・壱岐・五島列島・天草諸島・甑島
道内分布 不明
導入の原因 ペットとして流通している。

種の生物学的特性

生活史型 昼も活動するが夜の方が活発である。
形態 体長はオス70~115mm、メス80~140mm。ミミズ、昆虫、カエルの幼生などの小動物を捕食する。背が黒く腹が赤い。
繁殖形態 4月から7月上旬にかけて雄は求愛行動をし、精包が雌の体内に取り込まれる。卵は水中の落ち葉などに1個ずつ産み付けられる。求愛行動は秋にもみられることがある。
生息環境 水田や池、小川などに生息する。
特記事項 皮膚などにテトロドトキシン(ふぐ毒)によく似た性質の毒を持つ。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 他の小動物を捕食して生態系を攪乱するおそれがある。 カエルやサンショウウオの卵や幼生を捕食し、生息に競合を起こすおそれがある。 両生類の安易な移動放逐は両生類の伝染病を蔓延するおそれがある。
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 小型ではあるが、生態系の上位捕食者である。 毒を持つため、天敵が少ない。世界的規模での両生類の減少に関わる感染症としてカエルツボカビとラナウイルスが重要視され、両生類の安易な移動は両生類に広く感染をもたらす病気を媒介するおそれがある。(アカハライモリは平成20年3月時点で野外でのカエルツボカビ感染報告はない)青森県に生息し、道南では定着が可能と考えられる。
社会的要因 アカハライモリはペットとして流通している。
特徴並びに近縁種、類似種 形質がエゾサンショウウオやキタサンショウウオに似るが、アカハライモリは皮膚の質感がザラザラしており、腹は赤い。
対策 飼育管理の徹底と適切な飼育の啓発。 大量の資材などを他地域から北海道に持ち込む際にチェックする。
その他の関連情報 アカハライモリは平成20年3月時点で野外でのカエルツボカビ感染陽性報告はない(*1)。

写真・イラスト

  さけ科学館 提供   酪農大吉田研究室 提供  
  酪農大吉田研究室 提供   酪農大吉田研究室 提供  

備考

備考 飼育下で25年生きた記録がある。

参考文献

参考文献 林光武(1996)イモリ類.「日本動物大百科5両生類・爬虫類・軟骨魚類」(千石正一ほか編),pp.24-27.平凡社.
松井 正文(2007) スタイネガー(1907)に掲載された日本とその周辺地域産有尾両生類を見直す.日本爬虫両生類学会誌2007-2.pp.159-163.
(*1)財団法人自然環境研究センター(2008) 平成19年度 カエルツボカビ実態把握調査検討業務報告書.
宇根有美(2009) 両生類のラナウイルス感染症.モダンメディア2009第7号.pp189-197.栄研化学株式会社
(*2)大坪晃輔・吉田剛司(2009).北海道と沖縄にて流通している動物とその地域に定着している外来生物の比較考察.酪農学園大学野生生物保護管理学研究室