カイウサギ
  哺乳類 ⁄ 国外外来種
カイウサギ
目名 ウサギ目
科名 ウサギ科
種名(亜種名 カイウサギ
学名 Oryctolagus cuniculus
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 野生種ヨーロッパアナウサギの原産地は、イベリア半島とアフリカ北西部
導入年代 渡島大島:1938年、渡島小島:1923年 (日本には天文年間(1532~1555年)にオランダ人によってもたらされた)
初報告 1982年(*1)
全国分布 1996年時点で30地域(島嶼:24、本土:6)において野生化
道内分布 渡島大島、渡島小島
導入の原因 毛皮調達を目的とした放逐

種の生物学的特性

生活史型 仔は約3週間巣穴で過ごしたあと離乳し、4~8ヶ月で性成熟に達する。繁殖期は春から夏。妊娠期間約30日で、年に数回繁殖する。昼行性でコロニーを単位になわばりを防衛する。
形態 野生のものは、体長35~45cm、尾長4~7cm、耳長6~8cm、体重1.4~2.3kg。多様な植物の葉、芽、枝、樹皮を採食する。
繁殖形態 繁殖期は春から夏で、妊娠期間は約30日。年に3~5回程度の出産をし、産子数5~8子で1年に15~45頭の子を産む。子は4~8ヶ月で性成熟に達する。
生息環境 草原や森林に生息し、地下にトンネルを掘って隠れ場所とする。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 カイウサギの巣穴占拠によるオオミズナギドリへの繁殖妨害
農林水産業への影響 ニワトコ等樹木への食害
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 巣穴の掘りやすい排水力のある堅牢な土壌を備えた環境、採食場に隣接して隠れ場となる低木林のある環境。地下に複雑に張り巡らされたトンネルを隠れ場所にする。数頭のメスと1頭の優位雄、周辺部の劣位雄のコロニーを単位になわばりを防衛。
社会的要因 ペットの逸走
特徴並びに近縁種、類似種 不明
対策 ペットの放逐をしないように普及啓蒙
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)柴田義春 (1982) 「渡島大島のウサギを追って」、野兎研会誌 9巻25-29頁
山田文雄 (2002) 「カイウサギ」、外来種ハンドブック:地人書館 65頁
山田文雄 (1996) 「カイウサギ」、日本動物大百科(哺乳類Ⅱ):平凡社 2巻131頁
阿部永ほか (1994) 、日本の哺乳類:東海大学出版会
野生生物保護対策検討会移入種問題分科会 (2002)、移入種(外来種)への対応方針について
自然環境研究センター (1998)、野生化哺乳類実態調査報告書
哺乳類保護管理専門委員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」、哺乳類科学 39巻1号115-129頁
阿部永 (1989) 「動物調査」、大島漁港建設に向けての環境影響調査報告書:北海道栽培漁業振興公社