ハクビシン
  哺乳類 ⁄ 国外外来種
ハクビシン
目名 ネコ目
科名 ジャコウネコ科
種名(亜種名 ハクビシン
学名 Paguma larvata
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 東南アジア大陸部から中国南部、海南島、スマトラ、ボルネオ、台湾
導入年代 不明
初報告 1985年(*1,2)
全国分布 四国、東海、東北地方に多いが、全国各地に分布
道内分布 奥尻島で1984年に死体発見、1985年に捕獲記録(*1,2)、網走で1986年に捕獲記録(*3)。その後生息情報が途絶えていたが、2002年に奥尻島で生息再確認(*4)
導入の原因 戦前にも持ち込まれたようだが、第二次世界大戦中は毛皮用に飼育されていた。

種の生物学的特性

生活史型 6ヶ月で離乳して2年強で性成熟に達し、出産は3~12月。夜行性で飼育下では11年ほど生きる。
形態 頭胴長61(メス)~66cm(オス)、尾長37(メス)~39(オス)cm、体重2~3.5kg。灰褐色の体色で、額下部から鼻鏡部中央に白線が入る。雑食性だが植物質はほとんどが果実。その他、鳥類とその卵、昆虫や小動物などを食べる。
繁殖形態 3~12月に出産し、妊娠期間は51~59日、産子数は1~4子
生息環境 樹上生活が得意で、市街地から山地まで分布するが、里山を好み、人家の屋根裏に住み着いたりもする。日中は人家の屋根裏や樹洞、岩穴などで休む。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 タヌキなどの在来生物との競合・駆逐の可能性
農林水産業への影響 果樹園などでの果実の食害
人の健康への影響 屋根裏などに侵入すると、巣でダニが繁殖しダニによる二次被害が発生する可能性がある。
被害をもたらしている要因 生物学的要因 木登りが得意で民家の屋根裏などを住処にする可能性がある。夜行性のため昼間は住処に潜んでいる。
社会的要因 雑食性で、住宅地で生ゴミなどの残飯が餌となっている場合がある。
特徴並びに近縁種、類似種 不明
対策 平成6年から狩猟獣指定
その他の関連情報 本道での報告例が少ないため、他地域の例から予想される影響を記した。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 阿部永 (1994) 「北海道の帰化動物」、北海道の自然と生物 9巻1-9頁
阿部永ほか (1994) 、日本の哺乳類:東海大学出版会
野生生物保護対策検討会移入種問題分科会 (2002)、移入種(外来種)への対応方針について
池田透 (1998) 「移入哺乳類の現状と対策」、遺伝 52巻5号37-41頁
自然環境研究センター (1998)、野生化哺乳類実態調査報告書
哺乳類保護管理専門委員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」、哺乳類科学 39巻1号115-129頁
鳥居春己 (1996) 「ハクビシン」、日本動物大百科(哺乳類Ⅱ):平凡社 2巻136-137頁
哺乳類保護管理専門委員会 (1999) 「移入哺乳類への緊急対策に関する大会決議」、哺乳類科学 39巻1号115-129頁
静岡県生活・文化部自然保護課 (1996) 、静岡県ハクビシン調査報告書:静岡県生活・文化部自然保護課
(*1)朝日新聞 (1985)、「4月11日(夕刊)」
(*2)北海道新聞 (1985)
(*3)網走歴史の会(ホームページ) (1986)
(*4)広報おくしり (2002) 「ハクビシン 生きたままの姿で撮影に成功」