チュウゴクスッポン(チュウゴクスッポン、ニホンスッポン)
  爬虫類 ⁄ 国内外来種
チュウゴクスッポン(チュウゴクスッポン、ニホンスッポン)
目名 カメ目
科名 スッポン科
種名(亜種名 チュウゴクスッポン(チュウゴクスッポン、ニホンスッポン)
学名 Pelodiscus sinensis sinensis, Pelodiscus sinensis japonicus
カテゴリー 北海道 E
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 亜種チュウゴクスッポン:ロシア・中国(本土・海南島)・ベトナム・台湾、亜種ニホンスッポン:日本
導入年代 2009以前 (*1)
初報告 不明
全国分布 本州・四国・九州・壱岐島・徳之島(奄美以北の南西諸島ではニホンスッポンは移入種)、沖縄島・久米島・伊平屋島・南大東島・石垣島・西表島・与那国島(沖縄島以南のチュウゴクスッポンは移入種)
道内分布 不明
導入の原因 食用、ペットとして両亜種が流通する。

種の生物学的特性

生活史型 水性のカメで、昼行性。冬期間は、水中の泥の中に潜って冬眠する。
形態 最大甲長はチュウゴクスッポンで25cm、ニホンスッポンで35cm。魚類・カエル・貝・昆虫などを捕食する。甲は鱗板を持たず柔らかな皮膚に覆われている。
繁殖形態 チュウゴクスッポンで産卵期は5~6月。一回で12~30個の卵を産む。ニホンスッポンは4~6月に交尾し、6月下旬~8月上旬に10~40個前後卵を産む。30℃で45日間で孵化する。
生息環境 河川の中下流域や湖沼に生息する。水辺で日光浴をする姿も見られる。
特記事項 亜種不明のチュウゴクスッポンが飼育下で孵化から24年間生きた記録がある。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 水生小動物や、水辺の小動物を捕食して生態系を攪乱する可能性が高い。 北海道には在来のニホンスッポンは生息しないが、ニホンスッポンとチュウゴクスッポンで交配し遺伝子攪乱を起こす可能性もある。
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 道内在来種には亀は生息せず、定着すれば湖沼河川における大型の捕食者となる。
社会的要因 ペットや食用として流通している。 大型になり性格が粗暴になるなどの理由で飼育者により放流されるおそれがある。
特徴並びに近縁種、類似種 甲羅が鱗状にならない、鼻先が突出するなど他種との見分けは容易
対策 養殖や飼育において逸走を防ぐために徹底的な管理が必要
その他の関連情報 チュウゴクスッポンとニホンスッポンの分類は確定的なものではなく、ニホンスッポンをチュウゴクスッポンの同物異名と見なす考えもある。ただし、日本本土の集団と台湾や香港の集団の間には比較的明瞭な遺伝的差違があるとされる。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 多紀保彦(2008)チュウゴクスッポン.日本の外来生物―決定版.pp.82-83.平凡社
安川雄一郎(1996).スッポン.日本動物大百科5両生類・爬虫類・軟骨魚類.p61,63.平凡社
池田清彦(2006).092|チュウゴクスッポン.外来生物辞典.p.204.東京出版
安川雄一郎(2005)今後日本国内に定着するおそれの高い淡水性カメ類について.日本爬虫両生類学会誌2005-2.pp155-163
チュウゴクスッポン(Pelodiscus sinensis sinensis)に関する情報.外来生物法.環境省自然環境局
戸田光彦・吉田剛司(2005).爬虫類・両生類における外来種問題.日本爬虫両生類学会誌2005-2.pp139-149
(*1)大坪晃輔・吉田剛司(2009).北海道と沖縄にて流通している動物とその地域に定着している外来生物の比較考察.酪農学園大学野生生物保護管理学研究室
太田秀利(2007) スタイネガー(1907)に掲載された日本とその周辺地域のカメ類.日本爬虫両生類学会誌2007-2.pp203-211