カムルチー
  魚類 ⁄ 国外外来種
カムルチー
目名 スズキ目
科名 タイワンドジョウ科
種名(亜種名 カムルチー
学名 Channna argus
地方名 ライギョ(混称)
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 アムール川から長江にいたるアジア大陸東部
導入年代 1923~1934年
初報告 本道では1984年
全国分布 全国各地に広く分布
道内分布 石狩川水系、天塩川水系
導入の原因 日本へは1923~1934年に朝鮮から導入された。北海道への導入の経緯は不明であるが、遊漁用または食用として放流されたと思われる。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 体は細長く、体側にはヘビのような斑紋がある。全長80cmに達する。肉食性で、カエルやネズミ、魚類を捕食する (*1,2,3)。
繁殖形態 本州では5月から8月下旬に水草の茂ったところに浮き巣を作って産卵する。浮き巣は1mほどのドーナツ状で、水草の破片などを使ってつくられ、中空部に卵を生む。産卵後は雌雄とも巣にとどまり、孵化後まで卵・仔魚を保護する。北海道での繁殖が確認されている(*1,2,3)。
生息環境 流れのゆるやかな水草の繁茂した場所を好む。
特記事項 上鰓器官で空気呼吸を行うので水中の酸素欠乏に強く、汚濁した酸素の少ない水域でも生息できる。但し空気呼吸できない場所では死亡する場合がある。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 上位捕食者としての影響、在来種との競合と駆逐の可能性
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 肉食性で貪欲なため。但し、他の在来魚類を過度に捕食しないという説もある。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 タイワンドジョウに似るが、より大型になることや背鰭の形状から判別可能
対策 北海道内水面漁業調整規則の移殖放流禁止対象である。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  工藤智(石狩川産) 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)稗田一俊.1984.北海道の淡水魚.北海道新聞社,札幌.
(*2).カムルチー研究会.2009.札幌市及び石狩氏におけるカムルチー生息状況に関する報告書.カムルチー研究会.札幌
(*3)前畑善信.1989.カムルチー.日本の淡水魚 (川那部浩哉,水野信彦編),pp.470-473,山と渓谷社,東京.
松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド.110p.文一総合出版,東京
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
日本生態学会編.2002.外来種ハンドブック,390p,地人書館,東京.
丸山為蔵・藤井一則・木島利通・前田弘也.1987.外国産新魚種の導入経過.147p.水産庁研究部資源課・水産庁養殖研究所,東京.
森為三.1939.原色満州有用淡水魚類図説.55p.南満州鉄道株式会社,大連.
山川雄大.2001..北海道砂川市でカムルチーの自然繁殖を確認.ワイルドライフレポート,19,2-4.