ゲンゴロウブナ
  魚類 ⁄ 国内外来種
ゲンゴロウブナ
目名 コイ目
科名 コイ科
種名(亜種名 ゲンゴロウブナ
学名 Carassius cuvieri
地方名 ヘラブナ(通称)
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 日本(琵琶湖)
導入年代 1927年
初報告 1951年(*1)
全国分布 長崎県、沖縄県を除くほぼ全国に分布する。
道内分布 大沼湖沼群、石狩川水系の湖沼、各地のダム湖
導入の原因 1927年に大沼湖沼群へ漁業資源として移植された。石狩川水系には遊漁対象と放流されたものと思われる。

種の生物学的特性

生活史型 淡水型
形態 背が盛り上がり、体高が高い。また、眼の位置が低い。日本産フナ属としては最も大きく、全長40cm、希に50cmに達する。 食性はプランクトン食であり、鰓耙はフナ属の中で最も多い。
繁殖形態 4-6月の増水時に水草や浮遊物に産卵する。札幌の試験池では6月中旬に産卵が行われた。
生息環境 湖沼や河川の下流部の淀みに生息し、中層を泳ぐ。
特記事項 日本産フナ属としては唯一、植物プランクトンを主食とする。北海道でゲンゴロウブナと同所的に分布する在来魚は概ね日本の他地域で共存する関係にあり、競合や駆逐など直接的な影響は考えにくい。但し植物プランクトン相に影響があると考えられるので、導入された水域の長期的な環境変化に注意する必要がある。また、二倍体のギンブナとの交雑について注意する必要がある。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 植生などへの影響、在来種との交雑による遺伝的攪乱
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 植物プランクトン相に影響があると考えられるため。また属間交雑可能なため。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 ほかのフナ属と近似するが、本種は体高が特に高く、目が側線延長上よりもずっと下方にあることで判別可能
対策 不明
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  Shao, Kwang-Tsao 提供

備考

備考  

参考文献

参考文献 松沢陽士.et.al.2008.日本の外来魚ガイド.115p.文一総合出版,東京
春日井潔.2003.ゲンゴロウブナ.新北のさかなたち(上田吉幸・前田圭司・嶋田 宏・鷹見達也編),pp.74-75,北海道新聞社,札幌.
(*1)江口弘.1951..源五郎鮒とその人口採卵.魚と卵,昭和26年6月号:1-3.
環境省自然環境局生物多様性センター.2002.生物多様性調査動物分布調査・淡水魚類報告書.545p.
宮地伝三郎・川那部浩哉・水野信彦.1976.原色日本淡水魚類図鑑 全改訂新版.462p.保育社,大阪.
中村守純.1969.日本のコイ科魚類.455p.資源科学研究所,東京.
武田重秀.1954.淡水魚の移植実績について.魚と卵,昭和29年12月号:9-36.