キンケクチブトゾウムシ
  昆虫 ⁄ 国外外来種
キンケクチブトゾウムシ
目名 鞘翅目
科名 ゾウムシ科
種名(亜種名 キンケクチブトゾウムシ
学名 Otiorhynchus (Dorymerus) sulcatus
カテゴリー 北海道 A3
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ヨーロッパ原産で、後に北アメリカに侵入
導入年代 札幌市、1993年(日本へは1980年に静岡県に侵入)
初報告 本道では1993年
全国分布 全国
道内分布 札幌市、岩見沢市、愛別で確認記録あり(*2)。
導入の原因 静岡県から出荷された温室栽培シクラメン、ベゴニア、ピラカンサなど園芸植物とともに分布域を拡大

種の生物学的特性

生活史型 完全変態
形態 体長8-13mm、体色は黒色で上翅に黄褐色の斑紋がある。飛ぶことは出来ない。多食性で成虫は46科101種、幼虫は24科55種の植物の加害が確認されている。
繁殖形態 年1世代。幼虫越冬。成虫で越冬する個体もある。5月上旬~6月上旬に蛹になり、成虫は5月中旬~6月下旬に羽化する。成虫は7~10月にかけて産卵する。越冬成虫は5月中旬~6月上旬に産卵する。卵は土面にばら撒くように産み落とされるようである。飛ぶことはできず、雌のみで単為生殖をする。
生息環境 人工的な環境で多く見られる。
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 在来ゾウムシとの競合と駆逐が懸念される。
農林水産業への影響 栽培花きへの食害
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 食性ニッチの広さから、野外、栽培環境を問わず分布を拡大できる。
社会的要因 食性ニッチの広さから、野外、栽培環境を問わず分布を拡大できる。
特徴並びに近縁種、類似種 クロアナアキゾウムシに似るが、上翅の点刻の形状の違いや、本種の黄褐色斑がやや薄いことから判別可能(*1,2)。
対策 昆虫寄生性線虫剤(Steinernema carpocapsae)や農薬による防除が実施されている。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)森本桂(1988). 日本へ侵入したゾウムシ類の見分け方と被害,農業研究,35(1):28-44.
(*2)北海道病害虫防除所(1993). 平成5年度の発生にかんがみ注意すべき病害虫,北農,61:146-155.
日本産ゾウムシデータベース;http://kogane.wem.sfc.keio.ac.jp/jwdb/index.html