ミカンキイロアザミウマ
  昆虫 ⁄ 国外外来種
ミカンキイロアザミウマ
目名 総翅目
科名 アザミウマ科
種名(亜種名 ミカンキイロアザミウマ
学名 Frankliniella occidentalis
カテゴリー 北海道 C
環境省  
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ
導入年代 本州では1990年、北海道では1996年
初報告 1997年
全国分布 本州
道内分布 上川管内、門別町、滝川市および余市町で確認(*1,2,3)
導入の原因 寄生した野菜・花卉苗の導入

種の生物学的特性

生活史型 不完全変態
形態 雌成虫は体長1.4~1.7mmで,体色は橙黄色だが、冬期などの低温条件になると褐色の個体が増加する。雄成虫は,雌よりも小さく体色は明黄色。成虫は色彩反応を示し、白色、黄色、濃い青色などに誘引される。成虫は飛翔能力が低く,風に乗らない限り長距離を移動することはない。食性は、植食性(広食性) (*5)。
繁殖形態 葉や花弁といった植物組織内に1個ずつ産卵し、孵化幼虫は花弁、新芽、新葉などに寄生し加害する。前蛹期には一般に土中、落葉中に移動するが、時には植物体の隙間でも蛹が見られる。前蛹と蛹の時期は食害せずあまり動かないが、羽化後成虫になると再び花弁、新芽、新葉などに寄生する(*4,5)。
生息環境 栽培野菜・花卉
特記事項 1990年代初頭に日本に侵入後、急速に全国へと分布拡大した農業上の重大害虫。しかし休眠性をもたず、本道では施設内など特別な条件でないと越冬が困難である (*1)。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 不明
農林水産業への影響 成虫・幼虫が花弁や茎葉の表面を食害し、変色・奇形を生じさせる。 ウイルス病(TSWV)を媒介する。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 不明
社会的要因 寄宿となる苗株が流通するほか、温室は本種にとって特に好適な条件となるために、被害が拡大しやすい。
特徴並びに近縁種、類似種 アザミウマ科の各種。種数が多く小型のため、一般には判別が困難である。
対策 冬季のビニール被服除去、未寄生苗の導入 、薬剤散布
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)北海道病害虫防除所(1997). 平成8年度の発生にかんがみ注意すべき病害虫,北農,64(2):199-210.
(*2)北海道病害虫防除所(1999). 平成10年度の発生にかんがみ注意すべき病害虫,北農,66(2):164-171.
(*3)北海道病害虫防除所(2001). 平成12年度の発生にかんがみ注意すべき病害虫,北農,68(2):182-192.
早瀬猛・福田寛(1991). ミカンキイロアザミウマの発生と見分け方,植物防疫,45(2):59-61.
(*4)あいち病害虫情報;http://www.pref.aichi.jp/byogaichu/seitaitoboujyo/zennsakumotu/zennkyou-mikannkiiro.html
(*5)国立環境研究所・侵入生物データベース;http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/