カブトムシ
  昆虫 ⁄ 国内外来種
カブトムシ
目名 鞘翅目
科名 コガネムシ科
種名(亜種名 カブトムシ
学名 Allomyrina dichotoma dichotoma
カテゴリー 北海道 A2
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 日本(本州・四国・九州)
導入年代 1936年、大沼周辺での記録が最も古い。道内への本格的な定着は、1970年代頃からと考えられる。
初報告 1936年
全国分布 全国
道内分布 ほぼ全域
導入の原因 飼育個体や養殖場からの逸出や、販売業者の大量投棄、植栽樹木の根回りへの混入など複数の原因があるとされている。

種の生物学的特性

生活史型 完全変態
形態 体長30~53mm(雄の角を除く)。雄頭部と前胸板に角状突起があるが、雌にはない。上翅は鮫膚状で、軟毛がやや密に生えている。成虫の餌は樹液、幼虫期は幼虫は腐植土(腐葉土)を餌とする(*1)。
繁殖形態 交尾を終えた雌は、腐植土や堆肥に潜り込み1個ずつ卵を産み付ける。産卵行動は数回に亘り繰り返し計20-30個程度産卵する。2週間ほどで孵化する。
生息環境 森林
特記事項 主に林業地帯や酪農地帯の堆肥で発生している場合が多い(*1,3)。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 クワガタムシなど樹液を餌資源として利用する在来生物を競争排除する。
農林水産業への影響 大量発生時には、ウリ科の農産物の食害が発生したこともあった(*2)。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 資源量としては少ない樹液を餌とするため、相対的に体の大きな本種が他の在来昆虫に優先する。
社会的要因 ペットショップで容易に購入できる。
特徴並びに近縁種、類似種 日本産カブトムシは、いくつかの亜種が記録されているが、対馬や八重山などいずれも南方由来であり、本道には生息しない。
対策 不明
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

  酪農大吉田研究室 提供

備考

備考 農業被害の発生は、幼虫の発生環境となる堆肥などの人為腐植質が多いためと推察されるが、事例は少なく因果関係は不明である。

参考文献

参考文献 (*1)森本桂etc.2007.新訂原色昆虫大図鑑.p155,北隆館,東京
(*2)喜田和孝.2003. 知床移入種事情,知床ライブラリー5,知床の昆虫:212-225.
(*3)喜田和孝.2003.北海道でのカブトムシの実態・カブトマップ。丸瀬布昆虫生態館