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  昆虫以外の無脊椎動物 ⁄ 国外外来種
サキグロタマツメタ
目名 吸腔目
科名 タマガイ科
種名(亜種名 サキグロタマツメタ
学名 Euspira fortunei
地方名  
カテゴリー 北海道 h
環境省  
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 中国、朝鮮半島沿岸。国内では西日本(三河湾以西)
導入年代 不明
初報告 北海道では不明。1999年頃から東日本、北日本でアサリを食害する生物として報告される(*1)。
全国分布 岩手県、宮城県、福島県、千葉県、静岡県、三河湾以西(有明海では絶滅危惧種)(*2)
道内分布 不明
導入の原因 輸入アサリへの混入

種の生物学的特性

生活史型 不明
形態 貝食性巻き貝。殻長は最大で60mm。二枚貝や巻き貝の貝殻に穿孔し軟体部を捕食する(*4)。
繁殖形態 9月~11月にかけて卵塊(卵嚢)を産む(*2)。
生息環境 潮間帯の砂泥地
特記事項 特になし

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 宮城県ではヤドカリ類が今までほとんど供給のなかった中型のサキグロタマツメタの貝殻を利用していることが確認され、今後、多数の貝殻が供給されれば、ヤドカリ類各種の個体群の変動に影響を及ぼすおそれがある(*3)。
農林水産業への影響 アサリへの食害によって、潮干狩り場の閉鎖など深刻な影響が出ている(*2)。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 直接発生することにより、生き残りやすく、逸散しにくい大型の葡匐性幼稚体(稚貝)を孵出する(*5)。
社会的要因 中国や北朝鮮から輸入したアサリに混入しており、輸入アサリを放流することによって各地に分布を拡大した。輸入アサリの「不十分な選別、迅速な運搬、選別なしの放流」を長年続けたことが被害をもたらす要因となった(*3)。
特徴並びに近縁種、類似種 不明
対策 アサリを放流する際には本種が混入していないか選別を徹底する。
その他の関連情報 有明海や瀬戸内にいる在来個体群は分布を広げず、目立った漁業被害は報告されていない。中国では食用とされている。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 (*1)大越健嗣 2003 サキグロタマツメタ―絶滅危惧種は食害生物 うみうし通信 39 2-4
(*2)大越健嗣 2007 非意図的移入種による水産被害の実例?サキグロタマツメ 日本水産学会誌 73 1129-1132
(*3)大越健嗣 2004 輸入アサリに混入して移入する生物-サキグロタマツメタと非意図的移入種 日本ベントス学会誌 59 74-82
(*4)宮城県水産技術総合センター(http://www.pref.miyagi.jp/mtsc/sakiguro.html)
(*5)酒井敬一、須藤篤史 2005 サキグロタマツメタの初期生態について 宮城水産研報 5