オランダガラシ
  植物 ⁄ 国外外来種
オランダガラシ
科名 アブラナ科
種名(亜種名 オランダガラシ
学名 Nasturtium officinale R.Br.
英名 Watercress
異名 クレソン、ミズガラシ、ミズタガラシ
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A2
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ヨーロッパ、中央アジア
導入年代 戦前
初報告 不明
全国分布 北海道~九州
道内分布 各地に点在
導入の原因 栽培植物の逸出(水辺への植栽)

種の生物学的特性

生活史型 多年草
形態 20-60cm
開花時期 初夏~秋
生息環境 水辺、水中など
特記事項 温帯~熱帯に生育する。水田、河川、溝、水路、湖畔に生育する。山間の渓流にまでみられる。日当たりの良いところを好む。10~20℃の低水温で生育しやすい。両性花、虫媒花

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 水辺、特に清水域に生育する希少種などの在来種と競合し、駆逐するおそれがある。
農林水産業への影響 世界的に温帯地域の水路の雑草として問題になっている。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 清水域や湧水のある場所に群生することが多い。長角果は風、雨、動物(胃中を含む)、人間など様々な手段により伝播される。根茎による繁殖力が強い。
社会的要因 クレソンの名前で、肉料理の付け合わせ等として食用に利用するため、栽培されている。
特徴並びに近縁種、類似種 アブラナ科の抽水~沈水性の多年草。オランダガラシ属は世界で6種が知られる。日本に自生種はない。本種以外に野生化の報告はない。染色体数2n=32,(48,64)、品種は分化していない。イヌガラシ属Rorippaに含める場合もある。 同様に環境に生育し、形態が似ている種類として、在来種のオオバタネツケバナCardamine regelianaがある。沈水状態で生育していると酷似するが、葉の形や果実の向きで区別される。
対策 栽培にあたっては、管理されている場所や施設以外に、逸出を起こさない適切な方法で行うことが重要である。関係業者や利用者は、責任を持って栽培し、栽培できなくなった場合は野外へ遺棄することなく、適切な処分を行うことが必要である。既に各地の湖沼等で野生化しており、在来種との競合・駆逐等のおそれがあるため、防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。 湖沼の水質浄化等を目的とした水草の利用には、在来種を利用することが望まれる。
その他の関連情報 愛媛県では「テイレギ」の名で食用に栽培される。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.46.
伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹(1994)北海道高等植物目録Ⅲ.p.173.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.144.北隆館.
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.279.保育社.
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.107.全国農村教育協会.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.92.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.365.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#23