エゾノギシギシ
  植物 ⁄ 国外外来種
エゾノギシギシ
科名 タデ科
種名(亜種名 エゾノギシギシ
学名 Rumex obtusifolius L.
英名 Broadleaf dock
異名 ヒロハギシギシ
下位分類名 エゾノギシギシ×ナガバギシギシ=ノハラダイオウ
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 ヨーロッパ
導入年代 明治
初報告 中井(1909)
全国分布 北海道~沖縄。暖地には少ない。
道内分布 全道各地
導入の原因 作物種子などに混入し、移入

種の生物学的特性

生活史型 多年草
形態 50-120㎝
開花時期 7月
生息環境 道端、荒地、畑地、牧草地など
特記事項 温帯~亜熱帯に分布する。周年にわたって発生、生育し、耐寒性が強い。日当たりの良い湿地、酸性土壌を好むが、肥沃地からやせ地まで適応する。両性花。痩果は風、雨、飼料に混入して伝播される。1個体当たりの種子の生産量は5,000~100,000個、種子の寿命は20年以上との報告がある。根茎による繁殖力が強い。種子の発芽適温は10~25℃、光発芽性、寿命は長い。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 北海道や、本州の亜高山帯にある国立・国定公園など、自然性の高い環境や希少種の生育環境に侵入し、駆除の対象になっている。
農林水産業への影響 世界的に牧草地、樹園地の強害雑草として知られている。一度、圃場に入り込むと短期間に拡大する。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 乳牛に採食され、排泄され、3ヶ月間スラリーに浸漬されても発芽力を失わないものあり。根の再生力は基部から3cm位まで旺盛。地表で凍結した場合は再生力を失うことが多い。
社会的要因 不明
特徴並びに近縁種、類似種 ギシギシ属は世界で約200種が知られる。日本に自生するのは10数種。染色体数2n=40,60。ギシギシ属の植物は変異が多く、交雑もし易い。本種とナガバギシギシ(ギシギシの母種)との交雑種(ノハラダイオウ)がある。その他のギシギシ属とも交雑し、雑種強勢も見られる。
対策 抜き取りや、刈り取りに防除が行われている。作物の草丈が高く耕耘回数の多い畑地の方が発生が少ないとされる。 侵入経路や分布拡大のメカニズムを把握し、効果的な防除方法や分布拡大の抑制策の検討が望まれる。既に各地で定着しているが、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。
その他の関連情報 在来昆虫のコガタルリハムシが特異的に採食する。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.14.
伊藤浩司・日野間彰・中井秀樹(1994)北海道高等植物目録Ⅲ.p.88.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.189.北隆館
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.355.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.21.全農協
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.49.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.184.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#26