オオブタクサ
  植物 ⁄ 国外外来種
オオブタクサ
科名 キク科
種名(亜種名 オオブタクサ
学名 Ambrosia trifida L.
英名 Giant ragweed
異名 クワモドキ
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100 日本の侵略的外来種ワースト100(日本生態学会) 
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ
導入年代 戦後
初報告 原(1972)室蘭
全国分布 北海道~九州
道内分布 石狩、後志、胆振、上川、十勝支庁
導入の原因 輸入大豆に種子が混入しており、選別後に捨てられた場所で繁殖する。

種の生物学的特性

生活史型 一年草
形態 100-300cm(道内では200cm)
開花時期 7-9月
生息環境 道端、空地、ゴミ捨て場、河川敷など
特記事項 温帯に分布する。雌雄同株。風媒花。痩果は雨、鳥、人間により伝播される。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 全国の河川敷等で繁茂して、在来種の駆逐などの影響を及ぼしている。
農林水産業への影響 不明
人の健康への影響 花粉症の原因植物
被害をもたらしている要因 生物学的要因 肥沃で湿った所を好み、河川敷などでは密集して生え、しばしばアレチウリと共存する。1株当たり275個の種子をつけるとの報告がある。土壌中の種子の寿命が21年に及ぶとの報告があり、土壌シードバンクを形成する。
社会的要因 工事現場や採石場周辺などの人為的攪乱地で多くみられることから、種子を含む土壌が工事車両によって移動され、分布を拡大していることが示された。
特徴並びに近縁種、類似種 原産地の北アメリカでは変種や品種が知られており、生長後も葉が分裂しないマルバクワモキ(マルバオオブタクサ)や、テキサスオオブタクサなどがある。オオブタクサの弱小な個体は葉が分裂しないので混同されることがある。ブタクサ属は世界に25種ある。日本には自生種はない。ブタクサとの雑種オニブタクサ(A. ×helenae)があるとされる。
対策 既に各地の河川敷や荒地等で野生化しているが、希少種等との競合・駆逐のおそれが高い地域については、積極的な防除または分布拡大の抑制策の検討が望まれる。
その他の関連情報 埼玉県の特別天然記念物田島ヶ原サクラソウ自生地で駆除が実施されている。シードバンクを考慮した個体群動態モデルと実測したパラメータを用いて予測した結果、有効な駆除のためには、毎年出現した芽生えの90%以上を抜き取ることが必要とされた。平成8~12年に、刈り取りと抜き取りを行った結果、オオブタクサの群生面積と駆除個体数は大きく減少した。オオブタクサを食害するブタクサハムシが1996年に千葉県で確認されて以来、全国に急速に広まった。

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.107.
伊藤浩司・日野間彰(1987)北海道高等植物目録Ⅳ.p.137.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.4.北隆館
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.83.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.315.全農協.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#5
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.199.平凡社