キクイモ
  植物 ⁄ 国外外来種
キクイモ
科名 キク科
種名(亜種名 キクイモ
学名 Helianthus tuberosus L.
英名 Jerusalem artichoke
異名 ブタイモ
下位分類名  
カテゴリー 北海道 A3
環境省 要注意外来生物
ワースト100   
*)亜種が問題となっている場合は、カッコ内に亜種名を記載しています。
●種名が特定できないものについては、「○○○の一種」と記載しています。

導入の経緯

原産地 北アメリカ中部
導入年代 戦前
初報告 平山(1918)
全国分布 北海道~沖縄
道内分布 全道各地
導入の原因 食用、アルコール製造目的で導入されたものが逸出

種の生物学的特性

生活史型 多年草
形態 200cm内外
開花時期 10月
生息環境 牧草地周縁、道端、荒地、土手、草原など
特記事項 温帯~熱帯に生育する。頭状花、虫媒花。痩果をつけるが、結実は良くない。塊茎による繁殖する。

影響

被害の実態・おそれ 生態系にかかる影響 天竜奥三河国定公園にある天竜川では上流全域にみられ、他の帰化植物とともに河川敷固有の植物が減少する原因の一つとなっている。主として草地に生育する在来種と競合するおそれがある。
農林水産業への影響 群落化し、農耕地に侵入し問題化。耕地内では少ないが、駆除は困難。南北アメリカ諸国、東南アジアで問題になる雑草で、トウモロコシやダイズの減収が報告されている。連作すると病害発生があるので注意が必要とされている。
人の健康への影響 不明
被害をもたらしている要因 生物学的要因 肥沃で湿った場所を好む。塊茎の耐寒性は強く、-10℃以下でも影響がない。
社会的要因 食用、家畜飼料、観賞用に利用された。果糖の材料源としての品種が多く、欧州で大量に栽培されている。ワイルドフラワー緑化のための寒冷地向草種とされている。地下茎に含まれるイヌリンを利用するために栽培され、果糖製造、アルコール発酵、飴などの原料として利用された。
特徴並びに近縁種、類似種 総苞片の全面に細毛のあるものと、縁にやや長い毛が集まるものとの2型があるが、中間型もあってはっきりとは分けられない。日本におけるキクイモの種内変異として、イヌキクイモがあるが、生えている環境によって形態に違いがあることや、両者の中間型があるため、区別が難しいことがある。ヒマワリ属は日本には自生しない。シロタエヒマワリ、ヒメヒマワリ、キクイモモドキなどの野生化が報告されている。ヒマワリ属の多年草の類は雑種が多数あるため、原産地の北アメリカでは種類の同定が極めて困難とされる。ヒマワリ属は、ヒマワリの総称で流通するものや八重咲き等を含む多数の品種が、観賞用等に利用されている。 類似種のキクイモモドキの根は芋にならないことで区別される。
対策 栽培にあたっては、管理されている場所や施設以外に、逸出を起こさない適切な方法で行うことが重要である。関係業者や利用者は、責任を持って栽培し、栽培できなくなった場合は野外へ遺棄することなく、適切な処分を行うことが必要である。既に広く野生化しており、希少種等との競合・駆逐等のおそれがある場合には、積極的な防除または分布拡大の検討が望まれる。
その他の関連情報 特になし

写真・イラスト

備考

備考  

参考文献

参考文献 五十嵐博(2001)北海道帰化植物便覧.p.122.
伊藤浩司・日野間彰(1987)北海道高等植物目録Ⅳ.p.169.
長田武正(1972)日本帰化植物図鑑.p.4,32.北隆館
長田武正(1976)原色日本帰化植物図鑑.p.62.保育社
清水矩宏・森田弘彦・廣田伸七(2001)日本帰化植物写真図鑑.p.372.全農協.
清水建美 編(2003)日本の帰化植物.p.204.平凡社
滝田謙譲(2001)北海道植物図譜.p.989.
環境省HP自然環境局要注意外来生物リストより引用 http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/detail_sho.html#21